日清食品グループ

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持続可能な調達 | 環境

持続可能な調達

持続可能な調達方針の制定

海外における原材料の生産過程には、児童労働、強制労働、劣悪な労働環境、生産地周辺に与える環境負荷など、さまざまな問題が潜んでいます。
日清食品グループは、2007年5月に「グリーン調達基本方針」を制定し、環境に配慮した原材料の調達を推進しています。また、製品の品質を保証するために、原材料から製品の製造、出荷に至るトレーサビリティ体制の構築に力を入れています。こうした取り組みを強化するため、2017年9月には「日清食品グループ持続可能な調達方針」を制定しました。ここでは、食の安全に加え、地球環境と人権が尊重され、合法的に生産された原材料の調達を進めていくことを方針の一つに掲げています。さらに、これを実現するためにはサプライヤーの協力も重要であることから、一次サプライヤーにも当社グループの調達方針を周知し、その内容を確認したことに対する署名を得ています。

サプライヤーマネジメント

影響度が高いサプライヤーの特定

持続可能で安全・安心な製品を製造するには、サプライヤーとの連携が欠かせません。日清食品グループでは、原材料の調達量や取引高から当社グループ事業に及ぼす影響度合いが高いサプライヤーを特定しています。
そのほかにも、環境への負荷が高い原材料や人権・労務環境に関わる問題が潜んでいるものもあることから、そうした原材料を提供するサプライヤーを「持続可能性リスクが高いサプライヤー」と位置付けています。持続可能性リスクが高いと判断したサプライヤーには、日清食品ホールディングス 資材部とサステナビリティ委員会のメンバーが現地を訪問し、国際基準に基づいたアセスメントを実施する予定です。

調達金額の地域別構成比 (対象:日清食品)
  • ・日本:91%
  • ・中国:5%
  • ・その他アジア:3%
  • ・欧州やその他地域:0.1以下

新規取引先の選定方法

日清食品グループでは、新規に取引を行う前に「日清食品グループ持続可能な調達方針」に基づいたセルフチェックを依頼することで、新規取引先が当社グループの定める基準を満たしているかを確認しています。

「日清食品グループ持続可能な調達方針」にて定めている内容
  • ・汚職・贈収賄禁止、反競争行為の防止
  • ・環境汚染の防止、生物多様性の尊重、農薬の使用制限
  • ・児童労働の禁止、強制労働の禁止、虐待・ハラスメントの禁止、適切な賃金の支払い
  • ・各国の法令遵守

取引先監査

すべての一次サプライヤーに「日清食品グループ持続可能な調達方針」を周知し、内容を確認したことに対する署名を得ています。また、日清食品ホールディングス 資材部の担当者が調達先や生産委託先などを訪問する際に、「日清食品グループ持続可能な調達方針」に基づくCSR調達チェックリストに沿って監査しています (1年間で100社訪問することを目標)。監査で基準を満たしていない事象が見つかった場合は、改善要求を行い、一年以内に改善することを依頼しています。

CSR調達チェックリストを構成する5分野
  • ・食の安全・安心
  • ・法令・倫理の遵守
  • ・地球・環境
  • ・人権の尊重
  • ・コミュニティとの共生
国内・海外合わせた訪問社数
2016年度〜2019年度:年間平均で約100社

原材料ごとの実施状況

パーム油

森林破壊の防止および生物多様性の保全に配慮された原料 (認証パーム油) を調達するため、日清食品ホールディングスは2017年10月に「RSPO (持続可能なパーム油のための円卓会議)」) ※1に加盟し、2019年3月からは「カップヌードル」を製造する国内全工場でRSPO認証油の調達を開始しました。現在、カップヌードル※2のパッケージにRSPO認証マークをつけています。
日清食品グループは、多くのステークホルダーの話し合いを経て決まるRSPOの原則と基準に賛同しており、日清食品ホールディングスは2019年4月からRSPO認証パーム油の使用を推進するJaSPON (持続可能なパーム油ネットワーク) に理事企業として加入しています。
また、RSPOへの賛同に加え、森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ (NDPE) を支持しており、パーム原産地の環境と労働者の人権に配慮して生産されたことが確認できるパーム油のみを調達するよう、最善の努力を尽くしています。このことを確認するため、一次サプライヤーである油脂メーカーと情報を交換しているのに加え、2020年度中には外部専門家と共に日清食品ホールディングス 資材部とサステナビリティ委員会のメンバーが農園を訪問し、環境・社会面に関する調査と、現地の人権NGOにヒアリング調査を実施する予定です。

  • ※1Roundtable on Sustainable Palm Oilの略。持続可能なパーム油産業の振興や運営を行うことを目的として、2004年にWWF (世界自然保護基金) とパーム油に深く関連する企業により設立された国際非営利団体です。本部はマレーシア・クアラルンプールにあります。RSPOの認証を受けたアブラヤシ農園から生産されたパーム油と、認証された事業者が流通・加工した製品にはRSPO認証マークが付けられます。会員には、生産・加工業者、メーカー、小売業者、環境NGOなど、世界中で4,000を超える (2020年6月現在) さまざまな立場の企業、団体が加盟しており、これらのメンバーは、RSPOによって認証された持続可能なパーム油を生産、供給、使用することを約束しています。
  • ※2「カップヌードル」のレギュラーのみ。サイズ、フレーバー違いのバリエーション品は対象外です。
パーム油の持続可能な調達比率
2030年度目標:100%
RSPO認証パーム油の使用割合
2019年度実績:20% (国内グループおよび米国、ハンガリーが対象※)
搾油工場までトレースができているサプライヤーからの調達比率
2019年実績:100% (国内グループ会社が対象)
  • 日清食品と米国日清はマスバランス、ハンガリー日清はセグリゲーションでの認証。
    マスバランス:認証パーム油が流通過程で他の非認証パーム油と混合される認証モデル。物理的には非認証油も含んでいるが、その比率が最終利用段階まで厳密に記録されており、購入した認証農園と認証パーム油の量は保証される。
    セグリゲーション:複数の認証された農園から得られた認証パーム油からなり、他の非認証パーム油とは混ぜ合わされることなく、認証油だけで最終製造者まで受け渡される認証モデル。生産農園を一つに特定することはできないものの、認証農園から生産された原料であることが保証される。

日清食品グループは、製品の容器・包装や各種印刷物、コピー用紙等に、持続可能な森林管理のもとに生産されたFSC®※1認証紙やPEFC※2認証紙および古紙を優先的に利用しています。認証紙でない場合は、森林破壊が行われていないこと、保護価値の高い森林や炭素貯蔵量の多い森林から伐採されていないこと、森林生産国または地域の法令を遵守したことの全ての証明が可能なサプライヤーから調達しています。

明星食品では、FSC®認証紙および生物由来の資源を利用したバイオマスインキの使用を推進しています。「明星 中華三昧」(袋めん) の外装にFSC®認証紙を使用しており、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」の湯切りフタにはFSC®認証紙に加えバイオマスインキを使用しています。

  • ※1Forest Stewardship Council®の略
  • ※2Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemesの略

水産物

日清食品グループは、計画的な水産資源の管理のもと、生態系が保全され、かつ労働者の人権に配慮された漁業方法によって獲られた水産物の調達を目指しています。そのため、MSC認証やASC認証等を取得した水産物の調達を推進しており、調達できない場合は問題がないことが漁場まで確認できるサプライヤーから調達しています。例えば、すり身に使用するスケトウダラはすべてMSC認証のものを調達しており、イカ、エビについては、漁場までトレースできるサプライヤーから調達しています。

大豆

日清食品が「油揚げ」の原材料として調達している大豆 (2020年7月以降に工場に納品されるもの) は、持続可能な方法で生産されたことを示すUSSEC (アメリカ大豆輸出協会) 認証のものです。

農作物

日清食品が原材料として使用しているネギとキャベツは、契約栽培されたものを使用しており、日清食品ホールディングス 資材部の担当者が畑に赴き、栽培記録と農薬使用記録を確認しています。

動物福祉 (畜産物)

日清食品グループは、抗生物質や成長促進剤などの動物用医薬品について、国家基準に合致した適正な使用方法を遵守しています。また、チキンエキスを納品する取引先には、鶏を不適切な環境で放置 (いわゆる夜間放置) していないことを確認しています。また、最近は動物性の素材を使用しないベジタリアン製品の発売や植物代替肉の使用を推進しています。

環境負荷の低い植物代替肉・培養肉の開発

世界の温室効果ガスの発生源の約15%は畜産業由来と言われています。家畜の生産に必要な餌と水に加え、家畜が排出する糞尿や牛のゲップに含まれるメタンガスなどが環境に与える負荷は甚大です。
日清食品グループは、2016年に大豆たんぱくを主原料とした「大豆ビーフ」を独自製法で開発し、製品への使用を開始しました。その後、「大豆ポーク」や「鴨肉風つくね」を開発するなど、大豆ミートの使用を推進しています。
また、2019年3月には東京大学 生産技術研究所の竹内 昌治教授の研究グループ※と共に、牛肉由来の筋細胞を用いて、サイコロステーキ状 (1.0㎝×0.8㎝×0.7㎝) のウシ筋組織を作製することに世界で初めて成功しました。これは「培養肉」と呼ばれており、動物の個体からではなく、細胞を体外で組織培養することによって得られた肉のことを指します。近年、世界中で「培養肉」が研究されていますが、その多くが「ミンチ肉」を作製する研究です。同研究グループは、肉本来の食感を持つステーキ肉を「培養肉」で実現する目標に向け、筋組織の立体構造を人工的に作製する研究にも取り組んでいます。これらの技術を発展させることで、今後、さらに大きな筋組織の作製も可能と考えられており、肉本来の食感を持つ「培養ステーキ肉」の実用化に向けた第一歩を踏み出しました。
一方で、「培養肉」は今までにない手法で作製された革新的な食品であることから、社会に受け入れられるかどうかは未知数です。そこで、「培養肉」に対して一般の方々にどの程度の受容性があるのか、どのような情報発信をしていけば受容性が向上するのかを明らかにするため、日清食品ホールディングスは「培養肉」の受容性の確認と受容性向上の施策検討を目的とした日本初の「培養肉に関する大規模意識調査」を2019年に実施しました。そのほか、企業や研究機関が培養肉の普及に向けた課題解決などについて議論する「細胞農業研究会」に参画しています。

調査結果

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) の「未来社会創造事業 (探索加速型)」に採択された「3次元組織工学による次世代食肉生産技術の創出」 (研究開発代表者:竹内 昌治) の研究グループ。
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