変わり続ける“商品の顔”、
包材で社会に貢献していく
変わり続ける“商品の顔”、
包材で社会に貢献していく
日清食品ホールディングス株式会社 食品開発室 2016年入社
武田 直大
社員の所属は取材当時のものです。

- THEME 01 -

入社時の目標と現在の仕事

プロの視点で設計を主導
国内外の関係者と
新たな包材を生み出す

日清食品に興味を抱いたのは、ロングセラーブランドを多数持ちつつも絶えず進化を続けている経営スタイルに惹かれたことがきっかけです。また、グローバルに挑戦する風土もあり、「ここなら将来面白い仕事ができそうだな」と感じ、入社を決めました。
入社後は一貫して包材開発に携わり、現在は「環境対応包材」を担当しています。SDGsに貢献する国内の新たな包装形態を提案し、新素材の研究を進めるだけでなく、海外の包材設計も担い、業務範囲は国内外を問いません。他部署との連携も多く、新製品の包材を決める際には、企画から製品化までのプロセスをマーケティング部と進めていきます。環境対応にどれだけ効果があるのかを調べる際は、経営企画部や環境推進部とデータ整理や情報収集で連携します。海外現地法人とは、新たな包材の設計や方針決定をしていくために、各国の法規制などについて情報交換をしながら、日本とは異なる現地基準の包材を検討していきます。

- THEME 02 -

日々の挑戦

機能と環境貢献性を併せ持つ新素材
“日本の裏側ブラジル”でこれだと実感

入社4年目には、カップヌードルのバイオマスECOカップの開発を手掛けました。環境に貢献し得るより良いカップ仕様は何か。国の環境施策や海外の先進的な取り組みなど、広く社会の流れをリサーチするところからスタートし、コストや訴求効果、環境への影響、ごみ処理方法の最適解まで細部にわたって検討しました。
日清食品の包材開発では、カップの強度や断熱性などの容器性能が細かく数値化されており、どんなに環境効果が高くても機能性で基準を下回れば開発に進むことはできません。さらに即席麺は販売数が多い食品なので、工場で生産を進めるために資材調達の上で問題がないかもチェックする必要があります。そこで、バイオマスプラスチックの供給先であるブラジルまで足を運び、最初はわからないことだらけでしたが、現地の方々とコミュニケーションを積極的に取り、調達上のリスクを入念に把握しました。さまざまな観点から、調達の上で問題がないことがわかったときは、求めていたのは“この素材だ”とようやく実感できました。苦労はしましたが、構想設計から2年弱かけてバイオマスECOカップができたときには、自分の努力とアイデアが形になり「社会貢献」に繋がったことで大きな達成感を得ました。

- THEME 03 -

成功体験

カップヌードルの顔を変える
探求し続けた末にたどり着いたWタブ

2021年には、カップヌードルのふた止めシールを廃止し、新形状のふた「Wタブリッド」の開発・製品化を手掛けました。50年変わらないカップヌードルの顔を変える仕事を任され、やりがいと責任を強く感じたことは今でも忘れません。マーケティング部から「環境負荷の観点からシールをとりたい」と提案をもらい、シールに替わる新たなふたのアイデアを考え始めたのがきっかけでした。ふた止めシールを廃止することは、年間33トンのプラスチックの削減に繋がります。シンプルに廃止するだけの案もありましたが、私はカップヌードルの機能性を下げたくないと考えました。
それまでのカップヌードルは“完成形”として、世の中で愛され続けていました。デザインに親しみがあるからこそ、わざわざ変えなくてもいいのでは…と不安を抱いたこともあります。しかもWタブは、ユーザビリティの点では、2か所でふたを開ける“手間”がかかります。ただ、世の中にはひと手間かかるけれどだからこそ使いやすくなったり、おいしくなったりする製品がたくさんあります。開発段階では、毎日のようにカップヌードルのふたを開けたり閉めたり、スーパーで他の製品の包装容器を参考にするなど、アイデアを膨らませていきました。ユーザー体験や付加価値を落とさずに、プラスチック量を減らし、生産体制や輸送に不具合が生じないアイデアは何か。ふたの大きさや角度などをさまざま検討した結果、「Wタブリッド」に行き着きました。新しくてより良いものを作りたい、という想いを形にできたことは、大きな自信になりました。

- THEME 04 -

これからの挑戦

世界にインスピレーションを与える
日清モデルの包材を生み出したい

会社の環境戦略を包材という視点から考え、自らのアイデアを活かし社会に貢献していけるのは、日清食品の包材開発職だからこそできることだと考えています。即席麺という世界中で愛される食品の包材を扱うからこそ、影響力も大きいと実感し、使命のように感じています。
これからも新たな包材を生み出すために、リサイクルが社会に浸透している欧州の脱プラ包材など先進的な取り組みを学び、インスピレーションを受けながら知識を増やしていきたいです。また、シンプルに「いいな」「面白いな」と感じることも忘れないようにし、他業界の製品の包材にも日々触れ、新たな素材、製品づくりのアイデアを探求し続けていきたいです。努力を重ねて、「日清食品は環境に貢献する包材を出しているね」と認められるようになり、グローバルに展開できる“日清モデル”を作り出し、世界にインスピレーションを与えることが目標です。

CAREER

オンリーワンの
キャリアを駆け抜ける

  1. 2016年
    7月〜
    (入社1年目)
    包材開発グループに配属され、自分が担当した初めての製品が店頭に並んでやりがいを感じる。3年目には製品開発室に異動し、製品立ち上げを経験した。
  2. 2019年
    4月~
    (入社4年目)
    包材開発グループで、バイオマスECOカップなどの環境対応包材の開発を担う。FSC認証制度などの認証システムの立ち上げも経験し、自らが主導となって他部署・グループ会社を巻き込んでいった。
  3. 2020年
    6月~
    (入社5年目)
    Wタブの採用検討を手掛ける。発売から50年変わっていないものに変化を起こし、日清食品の環境への取り組みとして社会にインパクトを残すことに貢献した。
  4. 5年後
    海外赴任を行い、現地での環境対応包材の立ち上げを行う。
  5. 10年後
    日清食品の包材をさらに進化させ、未来に順応する新しいスタンダードモデルを生み出す。