PROJECT STORY

カップヌードル50周年への挑戦

1971年に世界初のカップ麺として誕生したカップヌードルは、2021年に発売50周年を迎えた。
この節目を消費者にいかに楽しんでもらうかを考え、実現させた数々の施策について、
マーケティング、セールスそれぞれの視点から社員が語ります。

MEMBER

渡邉 真
マーケティング部 第1グループ マネージャー
2010年入社
渡邉 真

2020年4月よりカップヌードルブランドのマーケティングを担当。カップヌードルシリーズ・カップヌードルPROシリーズの担当として、売上拡大に向けた施策の立案、中長期的なブランディングを行っている。

世永 恵祐
東京ビジネスソリューション部 第1支店
東京オフィス ユニットリーダー 2009年入社
世永 恵祐

都内の量販店を担当し、毎月の販売施策の企画、キャンペーンやイベントの提案を行う。部内ではユニットリーダーとして、取引先の課題解決に向けた検討や商談同行をメンバーとともに行っている。

PROLOGUE

全社をあげて必ず盛り上げようと動き出した、カップヌードル50周年プロジェクト。マーケティング担当として打ち出した数多くの施策にどんな想いを込め、それを受け取ったセールスはどのように消費者に届けたのか。両者の視点から、プロジェクトでの苦労ややりがい、カップヌードルのこれからについて語ってもらった。

PROLOGUE

50周年の取り組みとして
どんなチャレンジをしましたか。

  • 渡邉

    カップヌードルブランドは、毎年のバースデー施策をはじめ数々のマーケティング施策を打ち出してきました。ただ、50周年だからこそ、日清食品の「顔」としてこれまでの仕事の延長線にはない挑戦をしたかった。大事にしていたのは、単発で終わらない「鮮度感」のある施策で消費者を楽しませ続けること。1年以上前から議論を重ねてきました。目玉施策の一つが、50周年記念商品である「スーパー合体シリーズ」です。定番の8品を2品ずつ組み合わせて全28通りを試作・試食し、最もおいしかった4品を商品化。カップヌードルの誕生月である9月に発売しました。

  • 世永

    打ち出す施策の多さや斬新さには驚きましたね。「セールスにとっても提案しがいがある企画とは何か」という視点で、取引先や消費者に合わせて選べるように多くの施策を企画した、そのプロセスの苦労も伝わってきました。

  • 渡邉

    そうなんです。他にも、いつもは想像もしないようなカップヌードルの姿を消費者に見せたいと考え、あまりやってこなかった他社とのコラボも積極的に展開しました。うまい棒のカップヌードル定番8品の味を株式会社やおきんと共同開発し、カップヌードルにつけて店頭でプレゼントしたり、カップヌードル味のソーダ飲料を販売したり。

  • 世永

    セールスが考えるのは、マーケティング部からもらったアシストを活かして、どのように取引先(主に小売店)に提案して、売り場として具現化するかということです。今回の50周年を盛り上げる上では、消費者とのタッチポイントを最大化したいと考えました。そこでこだわったのは、日清食品で「売り場ジャック」と呼んでいる提案で、催事売り場(小売店で季節商材などが大々的に陳列される売り場)をカップヌードルブランドで独占することでした。

  • 渡邉

    普通は1か月間同じブランドを催事売り場に置き続ける提案なんて、小売店から即断られますよね(笑)。カップヌードル50周年は日清食品社内では大きなお祝い事ですが、それだけだと小売店が販売するメリットにはなりませんので。

  • 世永

    今回マーケティング部が「鮮度感」を大事にして数多くの施策を企画してくれたことはとてもありがたかった。毎週違った切り口からブランドを売り込み、「売り場の鮮度感」を保ち続ける提案にできたからこそ、小売店側も本気で売ることに熱くなってくれたと思いますね。

  • 渡邉

    そうはいっても、1か月間の「売り場ジャック」は、日清食品のセールスと小売店の間に信頼関係がないとそうそう実現しないですよね。私も営業経験があるので、実際の売り場を見たときは、「世永さんは一体どんな手を使ったんだ?」と驚き通り越して、色々勘繰りましたね(笑)。

  • 世永

    至って真面目に取り組みましたよ(笑)。実施に至るまでに、小売店に対して商談やプレゼンを何度も行いました。提案する上で最も重要なのは、「どうすれば消費者が買いたくなるような売り場にできるのか」。それをバイヤーだけに限らず、商品部長や営業企画部など様々な相手とすり合わせていくことで、小売店が「本気で売りたい」と思って頂けることに繋がったと思っています。こうした取引先の「温度感」を高めるようなコミュニケーションはセールスにしかできないことですね。

PROLOGUE

マーケティング×セールスでどう連携し、
どんな強みを発揮しましたか。

  • 渡邉

    セールスとの連携策の一つとして、店頭でカップヌードルを数多く、そして消費者の目に止まる陳列を行った社員を社内表彰する「大陳コンテスト」を実施し、モチベーションアップを図りました。

  • 世永

    コンテストのような企画だけでなく、マーケティング部とセールスは普段から意見を伝え状況を共有し合っていますよね。販売動向や競合他社の情報の他に、「あの施策は、反応が良かったよ」と現場視点でフィードバックを伝えることもある。好評だったのは、50周年限定の8枚のオリジナル名刺ですね。これを初めて見たときは、社員ながら「細部へのこだわりがさすがだな…」と思いました。

  • 渡邉

    取引先との話題づくりとして好評でしたよね。どの味の名刺がほしいですか?なんてババ抜きみたいな冗談から始まる商談も、日清食品らしさかな。

  • 世永

    そうそう。引いた味は売上前年比200%になるようにお願いしますよ(笑)という感じで。

  • 渡邉

    社員もいつも以上に巻き込みたくて、社員参加型のレシピ選手権も企画しました。「社員がおすすめするレシピ」を募ってマーケティング部で選考し、優秀作品を店頭POPとして活用する。レシピを考えるプロセス自体が、カップヌードル50周年を社内で盛り上げる一環になると思いましたし、店頭へのアウトプットにより、消費者にも新たなカップヌードルの楽しみ方を提案できたかなと思っています。

  • 世永

    セールスからの要望をマーケティング部に伝えることもありますね。広報部から、私の担当量販店の店舗で大々的にカップヌードルが並んだ売場を撮影したいという話があった時は、「既製品ではない販促物で面白い売り場を作りたい」と考えました。急遽マーケティング部に相談したところ、店舗に合わせたオリジナルの販促物を短期間で制作してくれて、インパクトのある売り場づくりが叶いました。

  • 渡邉

    お互いに困った時は、他部署とも団結してスピーディに動き、消費者にとっての「旬」を逃さないこと。これは日清食品のカルチャーかもしれないですね。

PROLOGUE

このプロジェクトを通しての
苦労ややりがいを教えてください。

  • 渡邉

    カップヌードルには50年間、歴任のマーケッターが様々な施策を考え、積み重ねてきた実績があります。目立った欠点がないブランドだからこそ、今年は全く新しいチャレンジをしなければ、歴史を超えられないという想いがありました。

  • 世永

    目標も高くて、失敗できないプレッシャーがあったと思います。そうなると普通は、「50周年のご愛顧に感謝」などの切り口から「増量」や「感謝セール」など無難なアイデアをやりたくなる気がするんですが、「スーパー合体シリーズ」を展開した勇気はすごいと思います。

  • 渡邉

    提案した当初は、社内から「すでに完成されている味をわざわざ組み合わせるのか」と、戸惑いの声もありました。合体させる以上は、2品両方の味が感じられ、かつ期待値を超えるおいしさを実現させなければならない。通常の新製品に比べて、試食回数も多かったですね。研究所に何度も足を運びながら開発の社員と一緒に作っていきました。

  • 世永

    あの新しさは、消費者にも「カップヌードルが面白い製品を出している」と気づいていただける契機になったと思います。カップヌードルに8種類の製品があることもしっかりアピールできましたし。

  • 渡邉

    特にプロジェクトチームがあったわけではないですが、「カップヌードル50周年を必ず盛り上げよう」と社員が一丸となっている空気感が自然に出てきていましたね。だからこそ、様々な施策を世の中に送り出すことができたと思います。

  • 世永

    そうですね。例年のバースデー施策とは比較できないくらい、消費者からの反響も大きかった。その要因として、セールスとして「地上戦」がうまく展開できた実感があります。

  • 渡邉

    日清食品では、TVCMなどの「空中戦」、店頭での営業・販促活動の「地上戦」、その2つをつなぐ役割をするSNSを中心とした「サイバー戦」の3方向で展開しています。エッジの効いたTVCMだけでなく、サイバー戦では話題が自走し、情報が拡散することを狙っています。これらが三位一体になれば、1本のTVCMが何倍もの効果をもたらすことになります。話題になることは、ブランドに対して親近感を持ってもらうためにはすごく重要なことです。今回のバースデーでは、この3つがうまく機能したなという実感があります。

PROLOGUE

これからどのように
カップヌードルを盛り上げていきたいですか。

  • 渡邉

    50年続くブランドでも、守りに入るのではなく攻め続け、「目立ってなんぼ」の精神でこれまで以上に、ユニークな施策を打ち出していきたいですね。

  • 世永

    カップヌードルに限った話ではないですが、セールスとしては「売り場をエンタメ化」することにこだわりたいですね。価格だけに頼らなくても、CMや企画の面白さと、それを反映させた楽しい売り場があれば消費者の心は動かせると思っていますし、ここに力を入れるのは日清食品ならでは、かな。

  • 渡邉

    そうですね。マーケティング部には「何もしない方が悪」という考えがあるんです。チャレンジした上での失敗は仕方ない、次に活かしていこう、という社風が根付いている。自分の成長とマーケッターとしての成長、カップヌードルの成長、会社の成長…そのすべてがうまく回っていくように、親しみがありつつ面白くて驚きがある、他にはないブランドを作っていきたいですね。

  • 世永

    2021年にはふた止めシールを廃止してWタブ仕様にするなど、即席麺を代表するブランドとして、世の中への発信も続けています。Wタブの話をきっかけに、小売店と「SDGsをテーマに売り場を作りましょう」と話が広がっていったこともあります。セールスは、取引先と自社双方の売上を伸ばすことが目標ですが、消費者に一番近い立場からブランド価値を上げる取り組みにもどんどん関わっていきたい。

  • 渡邉

    これからは100年続くブランドを目指して、おいしさや楽しさ、驚きを届け続けたいですね。さて、まずは来年のバースデーもみなさんに、楽しんでいただけるような企画を考えます(笑)。