日清食品グループ

リセット

製造工場での環境負荷低減

CO2排出量の削減

日清食品グループは、2030年度までの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、CO2の排出量については、国内外のスコープ1と2の合計排出量を2018年度比で30%削減し、サプライチェーン上で排出されるスコープ3※ の排出量を15%削減することを目標に掲げています (進捗状況は「環境管理体制」を参照)。この削減目標は、「Science Based Targets (SBT) イニシアチブ」によって、パリ協定と整合し世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2℃を十分に下回る水準に抑える、科学的な根拠に基づいた目標であると認定されました。

  • スコープ1:事業者自らによる直接排出量
    スコープ2:他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出量
    スコープ3:スコープ1、2以外の事業者による間接排出量

環境管理体制

再生可能エネルギーの使用

CO2排出量を削減するため、当社グループではLED照明や人感センサー照明などの省エネ設備を製造工場に導入しています。また、一部の製造工場では、太陽光パネルやバイオマスボイラー、ヒートポンプを設置しているほか、熱エネルギーの再利用も行っています。2020年度における太陽光パネルの発電量は、技術・開発・研究の拠点「the WAVE」と日清食品 滋賀工場の合計で97MWhでした。また、香港日清 香港工場と永安工場、永南食品 永泰工場では、発電した375Mkwを香港FIT制度※を活用して売電しました。
また、当社グループは事業活動で使用する電力の再生可能エネルギー100%調達を目指す国際イニシアチブ「RE100」に2021年2月から参画しています。さらに、ブラジル日清 イビウエナ工場とグロアドゴイダ工場では2021年1月から、日清食品 静岡工場と下関工場では2021年4月から、再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。

  • 再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社(小売電気事業者)が一定期間、固定した価格で買い取ることを国が保証する制度

太陽光発電の設備容量

種類 設備容量合計(kW) 設置事業所
自家消費 95 the WAVE、日清食品 滋賀工場、メキシコ日清 レルマ工場
FIT売電 631 ぼんち 神戸工場、香港日清 香港工場・永南工場、永南食品 永泰工場

国内外の事業活動で利用する電力における再生可能エネルギーの調達比率目標

  • 2021年度調達見込:約20%
  • 2030年度まで:60%
  • 2050年度まで:100%

ごみ発電電力の使用

食べ終えた後の油汚れなどが付いたインスタントラーメンの容器はリサイクルが困難なことから、一般的には可燃ごみとして焼却処理されています。そこで、焼却に伴うエネルギーを用いた「ごみ発電電力」を使用することで、資源の有効活用につなげていく取り組みとして、2020年3月から、日清食品ホールディングス東京本社の使用電力の50%を「ごみ発電電力」に切り替えました。

2020年度に実施した製造工場での省エネ策事例

年間のCO2排出量削減効果 (t)

設備の更新・効率化
日清化成 滋賀工場 圧縮空気をブロアエアに変更 345
珠海市金海岸永南食品 麺蒸し機の改造 311
日清食品 関東工場 ボイラーの更新 293
香川日清食品 82
米国日清 ランカスター工場 65
メキシコ日清 レルマ工場 42
日清食品 下関工場 30
ハンガリー日清 フライヤー熱交換器に蒸気回収システムを導入 220
インド日清 ジガニ工場 蒸気漏れを防止する蒸気トラップの更新 202
ぼんち 東京工場 ボイラーの蒸気トラップ、バルブ、配管の交換 123
日清ヨーク 関西工場 照明のLED化 66
東日本明星 埼玉工場 58
高松日清食品 23
メキシコ日清 レルマ工場 19
四国日清食品 10
ぼんち 神戸工場 空調機の更新 56
高松日清食品 冷凍機用冷却塔のインバーター化と、蒸気トラップの更新 44
ぼんち 中央工業団地工場 蒸気トラップの改修 42
日清エフ・ディ食品 スチーム機と冷凍機の更新 41
ぼんち 山形工場 電磁弁の改修 23
運用改善
米国日清 ガーデナ工場 ボイラーの効率化 820
インド日清 コルダ工場 フラッシュ蒸気の再利用 491
日清食品 関西工場 コージェネレーションの運転時間の削減 385
廣東順徳日清食品 ボイラー制御の効率化と、生産ラインで使用する圧縮空気の再利用 331
日清食品 関東工場 麺ほぐし機エアーの効率的な使用間欠化 100
日清化成 関東工場 コンプレッサーの更新 90
福建日清食品 蒸気の廃熱回収 37
日清ヨーク 関東工場 ボイラーの放熱ロスの削減 12
タイ日清 空調機インバーター制御の導入 10
購入電力
ブラジル日清 イビウエナ工場 再生可能エネルギー由来の電力の使用 648
ブラジル日清 グロアドゴイダ工場 146
味日本 CO2排出係数の低い電力会社に切り替え 183

CO2排出量

フロンへの対応

フロンの漏洩を防止するため、フロン排出抑制法に基づいた簡易点検と外部の専門機関による定期点検を実施しています。また、R22冷媒などの特定フロン「HCFC」の全廃に向け、自然冷媒への切り替えを進めています。
日清食品静岡工場は、冷凍機の新設に伴い冷媒に自然冷媒 (CO2) の機器を採用しました。また、カップ麺用乾燥具材を製造・販売する日清エフ・ディ食品の大型冷凍機は全て自然冷媒 (アンモニアとCO2) 冷凍機を使用しており、同じくカップ麺用乾燥具材の製造・販売する香川日清食品ではノンフロンのフリーズドライ冷却設備を導入しています。

廃棄物の削減

日清食品グループは、製造工程で発生する製品ロスの削減とリサイクルの促進に努めることで、ゼロエミッションを推進しています。廃棄物の多くを占める食品残渣は飼料・肥料化し、排水処理施設の改善による汚泥の減量と混合廃棄物のリサイクルにも取り組んでいます。なお、国内の製造工場では、再資源化率99.5%以上を2030年度まで継続して達成することを目標に掲げています。

廃棄物量と再資源化率

容器包装使用量の削減

製品における環境負荷低減のため、日清食品グループは「環境に配慮した容器包装設計の基本指針」を設けています。この方針に基づき、廃棄物の発生抑制、再使用、再生資源の利用を推進しています。

環境に配慮した容器包装設計の基本指針

日清食品では、小容量の麺と具材をセットにした「お椀で食べるカップヌードル」を2017年から販売しています。ご家庭にあるお椀を利用し、お湯を注ぐだけで「カップヌードル」の味わいが楽しめることから、喫食後の家庭ゴミの削減に繋がります。現在は「カップヌードル」に加え、「チキンラーメン」「どん兵衛」でも「お椀で食べる」シリーズを展開しています。

プラスチック容器包装の削減

当社グループは、「環境に配慮した容器包装設計の基本指針」のもと、石化由来プラスチック削減に向け、容器の減量化と減容化、ならびに環境負荷の少ない包装の研究・開発を行っています。
環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」では、「グリーンな包材で届ける」ことを目標に掲げ、環境配慮型の容器包装に関する数値目標を新たに設定しました。目標の達成に向けて、当社グループが持つ代替素材技術と有限資源の効率的な活用を推進していきます。こうした容器包装に関するイノベーションを加速させることで、今後は社会の再生可能エネルギーの普及やリサイクルシステム推進への寄与が期待できます。
なお、日清食品ホールディングスは、プラスチック製品の持続可能な使用や代替素材開発に取り組む官民連携組織「CLOMA (Clean Ocean Material Alliance)」に2019年1月から幹事企業として参画しています。

プラスチック容器包装に関する2030年目標 (2021年6月策定)

  • 全ての製品に環境配慮型の容器包装※1 を使用します※2
  • 売上高当たりの容器包装に係る石化由来プラスチック総量を20%以上削減します※3
  • ※1軽量・減容化、バイオマス化、紙化、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、リサイクル素材など
  • ※2対象は国内・海外グループ会社、比較基準は2018年度
  • ※3対象は日清食品、比較基準は2018年度

プラスチック削減の取り組み

「カップヌードル」で採用してきたプラスチック製の 「フタ止めシール」を2021年6月に廃止しました。これにより、プラスチック原料の使用量を年間で33トン削減することができます。これに併せて、シールがなくてもしっかりと止められるよう、開け口を2つにした新形状のフタ「Wタブ」に順次切り替えていきます。

日清食品冷凍では、自社ブランドの麺製品ほぼ全てでプラスチックのトレーを使用していません。また、パスタや焼そばは、「液体スープ」を廃止することで、パッケージに必要なプラスチックを減らしていますが、これはスープを麺の上に直接充填して急速凍結することで実現しています。

2020年度に実施したプラスチック使用量の削減事例

年間の使用量削減効果 (t)

プラスチック
日清食品 スープパックのサイズ変更 1
日清シスコ 「ごろっとグラノーラ」のスタンドパック包装設計の見直し 4
紙製容器の使用
リサイクル可能な包装を増やす取り組みとして、紙製容器の使用率を上げています。日清食品では、2008年から「カップヌードル」容器に再生資源である紙を使用しています (「ECOカップ」)。2019年12月からはさらに環境負荷の低い「バイオマスECOカップ」の使用を開始しました。また、海外でも「ECOカップ」の使用推進しており、中国地域で2009年に開始して以降、米州地域 (2015年)、アジア地域 (2016年)、欧州地域 (2017年) へと取り組みを拡大しています。
紙製容器包装の使用率※
2018年度:59.6%
2019年度:62.4%
  • 容器リサイクル法に基づいた、日清食品の容器包装使用量に占める紙製容器包装使用量の割合
  • 日清食品、日清食品冷凍、日清チルドが対象

容器包装の再製品化

容器包装を利用している企業は、容器包装リサイクル法により容器包装の「再製品化義務」が課せられています。日清食品、明星食品、日清食品冷凍、日清チルド、日清シスコ、日清ヨーク、ぼんちは、容器包装の再製品化を公益財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託しており、製造・販売した製品の重量に応じて、紙製容器包装とプラスチック製容器包装の再製品化実施委託料を支払っています。市町村が家庭から分別収集する容器包装ごみ (資源物) は、同協会に委託された事業者を通じて再生原料にリサイクルされ、パレット、擬木、ベンチや古紙再生ボードなどへと新たに生まれ変わっています。

梱包使用量の削減

製品の梱包に不可欠な段ボールは、ほぼ全てがリサイクル可能であり、日本国内における回収率は一般的に95%以上と言われています。
当社グループは、梱包材に用いる段ボールのサイズを小さくすることで段ボール使用量の削減を図っています。また、梱包個数を減らすことなく段ボールのサイズを小さくすることが可能な「オポジット方式」 (製品を天地交互に詰めて梱包する) を採用することでも、段ボール使用量の削減を図っています。
なお、当社グループでは、限りある資源を有効活用するため、FSC®認証紙を使用した段ボールの採用を推進しています。FSC®認証とは、森林の適切な管理と、持続可能な森林資源の利用と保全を図る制度です。

持続可能な紙の調達

2020年度に実施した段ボール使用量の削減事例

年間の使用量削減効果 (t)

日清食品チルド アルミ鍋が入っている段ボールの中仕切りを撤廃 2
日清シスコ 「ごろっとグラノーラ」の段ボール設計の見直し 22
「シスコーンBIG」の段ボールケーサー (段ボールの製函・充填・封緘までを行なう機械) の調整 27

廃棄物の適正処理

日清食品グループは、「産業廃棄物処理マニュアル」を重要規程に位置付けており、国内グループ各社は同マニュアルに従って産業廃棄物の処理を業者委託しています。委託契約に際しては、日清食品グループの書式を用いること、独自のチェック表を用いて委託先の実地確認や評価をすることなどが定められています。
なお、委託契約書の記載内容は、製造工場の締結前に、日清食品ホールディングス 法務部または環境推進部が確認しています。また、産廃マニフェスト、廃棄物の排出量などの情報も日清食品ホールディングス環境推進部にも適宜送付され、工場と環境推進部で内容をダブルチェックしています。
製品の廃棄処理は原則パッカー車 (機械式ごみ収集車) による収集とし、パッカー車による収集が不可能で通常トラックにより収集する場合は、収集運搬から処分場までの現場立ち会いを必ず実施しています。また、焼却や粉砕時の写真を撮影し、マニフェストとともに5年間保管しています。

水使用量の削減

日清食品グループ各製造工場では、製造工程に必要な水の使用量を削減するとともに、冷却に使用した水を工場設備の清掃に利用するなど、水の再利用に努めています。また、日清食品関西工場では、水処理にAIを導入して水使用量の削減を進めています。従来、水処理装置 (ろ過機) の洗浄回数と洗浄時間は、オペレ―ターが決め、手動で洗浄していましたが、これをAIが判定し自動洗浄することで、必要最低限の水使用量で洗浄することが可能になります。
水使用量については、2030年度までに売上100万円当たり (IFRS基準) 12.3m3とする目標を掲げています (2020年度は11.3m3)。

2020年度に実施した製造工場での水使用量削減事例

年間水削減量 (t)

日清食品 関東工場 蒸機ネット洗浄のタイマー化
高圧温水洗浄配管の自動制御化
浄水装置の逆洗浄回数の削減
38,630
ブラジル日清 イビウエナ工場 冷凍乾燥機の霜取り時に再生水を利用と、エコ蛇口の設置 19,944
ブラジル日清 グロアドゴイダ工場 高圧洗浄システムの利用と、ボイラーのバルブ交換 15,408
ぼんち 山形工場 蒸練機の節水 9,096
インド日清 ジガニ工場 漏水の防止と、水量メータの監視 7,600
インド日清 コルダ工場 排水処理水の緑地散布水への再利用 6,240
インド日清 レワリ工場 漏水の防止と、排水処理水の緑地散布水への再利用 4,956
ぼんち 神戸工場 洗米機から無洗米機に変更 4,248
日清食品 関西工場 AIによるろ過逆洗水量の削減 4,026
日清食品 静岡工場 蒸気システムの改修による蒸気削減
冷却槽工程の改修によるチラー水削減
洗浄方法見直し
3,744
福建日清食品 ボイラーの廃熱回収と、自動センサー付き蛇口の導入 3,000
東日本明星 埼玉工場 ボイラー排水の熱交換器設置による冷却水の削減 2,410
米国日清 ランカスター工場 ボイラー更新と運用改善 1,600
高松日清食品 貯水槽の水抜き量の削減と、一斗缶の解凍方法を温水からヒーターへの変更 1,135
廣東順徳日清食品 脱臭水の自動制御化と再利用 900
永南食品 永泰工場 廃水処理施設における製造後冷却水の再利用 833
メキシコ日清 レルマ工場 節水トイレの設置 786
東莞日清包装 排水の再利用と、社員への環境教育 625
日清化成 関東工場 冷却塔循環水の補給自動制御化 227
ハンガリー日清 ボイラー廃熱の回収 200
味日本 ボイラー廃熱の回収と、温水発生器の最適化 130

水使用量

環境汚染防止

日清食品グループの各製造工場では、大気汚染の原因となるSOx (硫黄酸化物)、NOx (窒素酸化物)、水質汚濁の指標となるBOD (生物化学的酸素要求量) やCOD (化学的酸素要求量) の基準値において、法令・条例基準よりも厳しい自主基準値を定め、その数値を監視しています。また、設備が破損し環境汚染物質が工場周辺に流失した場合に備えた 緊急事態対応手順書を策定しており、緊急事態を想定した訓練を定期的に実施しています。なお、2020年度における環境に関する重大な事故、訴訟は発生していません。

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