日清食品グループ

リセット

持続可能な調達

持続可能な調達方針の制定

海外における原材料の生産過程には、児童労働、強制労働、劣悪な労働環境、生産地周辺に与える環境負荷など、さまざまな問題が潜んでいます。
日清食品グループは、2007年5月に「グリーン調達基本方針」を制定し、環境に配慮した原材料の調達を推進しています。また、製品の品質を保証するために、原材料から製品の製造、出荷に至るトレーサビリティ体制の構築に力を入れています。こうした取り組みを強化するため、2017年9月には「日清食品グループ持続可能な調達方針」を制定しました。ここでは、食の安全に加え、地球環境と人権が尊重され、合法的に生産された原材料の調達を進めていくことを方針の一つに掲げています。さらに、これを実現するためにはサプライヤーの協力も重要であることから、一次サプライヤーにも当社グループの調達方針を周知し、その内容を確認したことに対する署名を得ています。

パーム油の調達状況

パーム油はアブラヤシから採れる植物油です。アブラヤシは、主にインドネシアやマレーシアといった熱帯地域で栽培されており、一部の農場では、熱帯雨林の破壊、生態系の破壊、泥炭地火災による温室効果ガスの排出、農園労働者の人権侵害等の問題を抱えていることを指摘されています。

持続可能なパーム油調達コミットメント

日清食品グループは、NDPE (No Deforestation、No Peat、No Exploitation=森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ) を支持し、取引先等のステークホルダーの協力を得て、パーム原産地の環境と労働者の人権に配慮して生産されたことが確認できるパーム油を調達します。

  • 保全価値の高い (HCV: High Conservation Value) 地域および炭素貯蔵力の高い (HCS: High Carbon Stock) 森林の保護、森林破壊ゼロ
  • 深さに関わらない泥炭地の新たな開発禁止
  • 植栽や土地造成、その他開発のための火入れ禁止
  • 先住民族・地域住民の権利尊重・土地権侵害の禁止
  • RSPO (持続可能なパーム油のための円卓会議) が定める「原則と基準※」の遵守
  • 農園まで含めたトレーサビリティの確認

RSPOが定める「原則と基準」(Principles and Criteria for the Production of the Sustainable Palm Oil)

人権尊重や労働者の権利尊重に関しては、人権方針に従い取り組みを推進しています。
日清食品グループ人権方針

RSPO認証パーム油の調達

森林破壊の防止および生物多様性の保全等に配慮のうえ生産されたことが、第三者によって認証されているパーム油を調達するため、日清食品ホールディングスは2017年10月に「RSPO (持続可能なパーム油のための円卓会議)」※1に加盟し、2019年3月からは「カップヌードル」を製造する国内全工場でRSPO認証油の調達を開始しました。現在、カップヌードル※2のパッケージにRSPO認証マークをつけています。
日清食品グループは、多くのステークホルダーの話し合いを経て決まるRSPOの原則と基準に賛同しており、日清食品ホールディングスは2019年4月からRSPO認証パーム油の使用を推進するJaSPON (持続可能なパーム油ネットワーク) に理事企業として加入しています。

  • ※1Roundtable on Sustainable Palm Oilの略。持続可能なパーム油産業の振興や運営を行うことを目的として、2004年にWWF (世界自然保護基金) とパーム油に深く関連する企業により設立された国際非営利団体です。本部はマレーシアのクアラルンプールにあります。RSPOの認証を受けたアブラヤシ農園から生産されたパーム油と、認証された事業者が流通・加工した製品にはRSPO認証マークが付けられます。会員には、生産・加工業者、メーカー、小売業者、環境NGOなど、世界中で4,000を超える (2020年6月現在) 様々な立場の企業、団体が加盟しており、これらのメンバーは、RSPOによって認証された持続可能なパーム油を生産、供給、使用することを約束しています。RSPOは、多様なステークホルダーが参加し、協議を重ねながら、持続可能なパーム油の生産・利用を目指し、状況の変化に応じて原則と基準の見直しを行っています。
  • ※2「カップヌードル」のレギュラーのみ。サイズ、フレーバー違いのバリエーション品は対象外です。

パーム油調達に関する目標と実績

日清食品グループの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」でも、「持続可能であると判断できるパーム油調達の比率を2030年度までにグループ全体で100%」にすることを目標に掲げており、できる限り早期に達成できるよう取り組んでいます。また、国内即席めん事業については、「持続可能であると判断できるパーム油調達の比率を2025年度までに100%」を目標としています。

パーム油の持続可能な調達比率
国内即席めん: 2025年度 100%
グループ全体: 2030年度 100%
RSPO認証パーム油の使用割合
2019年実績:20%
2020年実績:26%
(当社グループのパーム油の調達量に占める日清食品、米国日清、ハンガリー日清によるRSPO認証パーム油の調達量※)
搾油工場までトレースができているサプライヤーからの調達比率
2019年実績:100%(国内グループ会社が対象)
2020年実績:100%(国内グループ会社が対象)
  • 日清食品と米国日清はマスバランス、ハンガリー日清はセグリゲーションでの認証。
    マスバランス:認証パーム油が流通過程で他の非認証パーム油と混合される認証モデル。物理的には非認証油も含んでいるが、その比率が最終利用段階まで厳密に記録されており、購入した認証農園と認証パーム油の量は保証される。
    セグリゲーション:複数の認証された農園から得られた認証パーム油からなり、他の非認証パーム油とは混ぜ合わされることなく、認証油だけで最終製造者まで受け渡される認証モデル。生産農園を一つに特定することはできないものの、認証農園から生産された原料であることが保証される。

アセスメント等の実施

  • 国内の油脂メーカーの調達先である一次精製工場やその先の搾油工場で、現地の法律に違反した行為が行われていないことを油脂メーカーとともに確認しています。
  • 環境や人権への影響に関して疑義のある現地サプライヤーについては、油脂メーカーと協力し、事実関係の確認および対策を行っています。具体的には、油脂メーカーが管理する苦情処理 (グリーバンス) リストを通じ、問題の可能性のある現地搾油工場/農園についてモニタリングを行うとともに、是正指導や取引停止等の措置を行っています。油脂メーカーへ確認したところ、2019年以降、農園までのトレーサビリティ強化等の是正指導を7件、搾油工場/農園との取引停止3件を確認しました。

2020年7月 当社商品の原材料 (パーム油) 調達に関する指摘について [PDF 688KB]

アジア地域におけるサプライチェーンマネジメント体制の強化

2020年6月~11月にかけて、当社のサプライチェーン上に位置すると考えられるパーム油小規模農家に対してアンケートおよび (オンライン) ダイアログを実施しました。本取り組みは、経済人コー円卓会議日本委員会および現地インドネシアのアブラヤシ小規模農家組合であるSPKS※3の支援を受け実施しました。また今回の対象農家20名のすべてがKKPA農家※4となります。

実施背景 日清食品グループでは、特定した人権リスク「アジア地域におけるサプライチェーン」のなかでも、特にパーム油生産・農家 (小規模農園) に関連する人権・環境課題の最優先課題として認識し、パーム油サプライチェーンのモニタリング体制を強化するための取り組みを進めています。
現在、RSPO認証の取得に加え、油脂メーカーに寄せられた生産者等からの苦情処理リストを通じた内容についての油脂メーカーから当社へ報告を受け、これへの対応支援を実施しています。一方で、取引の立場上、声が上げづらく、労働搾取の懸念がある生産者 (特に小規模農家) から、労働環境状況や人権侵害の有無を直接確認することも重要な取り組みだと考えています。
実施目的 パーム油生産地・農家 (小規模農園) を取り巻く状況と、パーム油生産活動が現地の環境・労働者の人権へもたらす影響をより詳細に把握し、サプライヤーのモニタリング体制を強化する
実施対象 アンケート回答者:小規模農家20名
ダイアログ参加者:計18名 (小規模農家10名の他、現地農家協会、現地農家協同組合、現地サプライヤー関係者等。経済人コー円卓会議日本委員会メンバー、SPKSおよび当社関係者を除く)
実施方法 コロナ感染拡大が懸念されたため、事前アンケートは、SPKSスタッフが対象農家を一軒ずつ訪問し、アンケート回答を収集しました。
またダイアログは、参加人数を制限した上で、席の間隔を空けて実施しました。

実施プロセス

1. 事前アンケート票の作成
パーム油の持続可能な生産・調達に係る9つの外部基準※5を参照し、パーム油農家による遵守が期待される指標 (5分野36問) を整理。現地非営利団体による協力のもと、パーム油小規模農家への一次ヒアリングを実施し、最終的に、「農園運営」「環境」「人権」の3つの分野/10の中核項目/全22問から構成される調査票を作成
2. 調査対象の決定
当社のパーム油調達に関わるサプライチェーン上の特定のミルを中心に、半径25km以内に位置する小規模農家を調査対象として選定
3. 事前アンケートの実施 (2020年10月)
パーム油小規模農家20名に対し、アンケート調査を実施。各項目に対する回答を通じて、パーム油生産に関係する環境・社会課題への影響、農園の運営状況等を把握
4. ダイアログの実施 (2020年11月)
事前アンケートを通じ得られた回答を分析し、懸念点 (潜在的リスク) を抽出。直接対話 (オンライン) を通じ、懸念点の深掘りと状況のより詳細な把握、当社としての期待を伝達
5. フォローアップ・ダイアログの実施 (2020年11月)
懸念点に係るさらなる詳細情報 (背景・原因・運用実態等) を、現地協力団体を通じ追加確認

調査項目と結果

事前アンケートおよびダイアログの結果、今回調査対象となった小規模農家では、即座に対応が必要な課題は特定されませんでしたが、10の中核項目のうち、「経済持続性」および「労働安全衛生」の分野において、一部懸念が見られました。今回の調査対象はすべてKKPA農家でしたが、農家組合より、例えばKKPA契約ではない独立農家が、仲介者を通じて別ルートでアブラヤシ果房を販売しようとする場合、KKPA契約に基づきパーム油搾油所へ納入する場合と比べて20~30%程度売価が低くなる場合があること (これにより、独立農家は経済的に苦しい状況に置かれやすいこと) などが経済持続性に関する懸念事項として挙げられました。
またKKPA契約の締結先である企業が農家の労働安全衛生に責任を持つ立場にあるものの、実際には企業から個人用防護具の支給がなされていないことや、誰が支給するのかも明確になっていないことが判明しました。当社は、管理企業となる現地サプライヤーに対して、RSPOおよび当社調達方針に沿った取り組みの推進と、これを実現するための役割の明確化、これらを通じて、農家の労働安全衛生に配慮した生産活動が確実に実施されるように、対応改善を求めました。

今後の対応
日清食品グループは、今後もこうした調査およびダイアログ等を実施し、主要サプライヤーやパーム油農家を含むサプライチェーン全体に対して、当社グループが掲げる持続可能な調達方針等の遵守を求めるとともに、その実践状況の確認を行ってまいります。また、小規模農家等を取り巻く環境・社会状況の把握に努め、方針の遵守・実践を妨げている問題の把握と、改善に向けた方策をサプライヤーとともに考え実践してまいります。また特に小規模農家等に対しては、「持続可能な農業慣行 (生産活動)」への理解を促し、「問題提起すべき潜在的リスクや懸念」に農家自身が気付けるような情報提供を行うことで、サプライヤーや現地自治体が設置する苦情処理の仕組みがより実効的に機能することを支援していきます。
  • ※3SPKS (Serikat Petani Kelapa Sawit) とは
    2006年にインドネシアにおいて設立された、アブラヤシ小規模農家組合。農家の持続可能性に配慮したパームやし生産を支援する。
    インドネシアの7つの地域に8,000以上の小規模農家とのネットワークを有する。小規模農家のデータ収集やマッピング、農家の組織化、生産性向上に向けたトレーニング、農家のISPOやRSPOなどの認証取得支援などを行う。
    アブラヤシ小規模農家組合 SPKS
  • ※4KKPA農家とは
    KKPA協定に基づいて、特定の搾油所 (ミル) に対してアブラヤシを納品する小規模農家。KKPA協定 (Kredit Koperasi Premer Anggota /英語仮称 Credit Corporate Prime Agreement) は、1995年に開始された組合金融型中核農園システム。中核農園システムとは、中核となる大規模農園の周辺に、小規模農家のアブラヤシ栽培地である農園を配置し、大規模農園が小規模農家に対して、農業資材 (種苗・肥料・農薬) や信用の供与、栽培技術の指導を行いながら、生産の拡大を図っていく方式。小規模農家の労働安全衛生には、通常、大規模農園で用いられる基準が適用される。
    小規模農家が収穫したアブラヤシは、中核農園が設置した搾油所が買い取ることになり、小規模農家は販路を確保できるというメリットがある。
  • ※5本件調査にあたり参照した9つの外部基準
    •Roundtable on Sustainable Palm Oil (RSPO) Independent Smallholder Standard, 2019
    •Roundtable on Sustainable Biomaterials (RSB) Principles and Criteria for Smallholder Groups, 2016
    •International Sustainability and Carbon Certification (ISCC) Independent Smallholder Group Certification Criteria, 2016 (ISCC 201-5, 202, 206)
    •Malaysian Sustainable Palm Oil Certification (MSPO) Part 2: General Principles for Independent Smallholders, 2013
    •Indonesian Sustainable Palm Oil Standard (ISPO), Independent Smallholders (4 out of 7 principles), 2011
    •Rainforest Alliance & UTZ/RA Sustainable Agricultural Standard for Smallholders, 2019 (Draft to be published June 2020)
    •Fairtrade/Fairtrade Standard for Small-Scale Producer Organisations, 2019
    •公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会「持続可能性に配慮した調達コード (第3版)」
    •公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準」
COLUMN

インスタントラーメンづくりに欠かせないパーム油

1958年8月に誕生した世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」。その基礎となった製造技術が「瞬間油熱乾燥法」です。麺を高温の油で揚げると水分が弾き出されます。ほぼ乾燥状態となった麺は、半年間置いても変質したり腐敗したりせず、長期間の保存が可能となります。また、注いだお湯が麺の表面にあいた無数の穴からお湯が染み込み、元のやわらかい状態に戻ります。この「瞬間油熱乾燥法」は、油で揚げるインスタントラーメンの基本的な製造技術として現在でも活用されており、その揚げ油として主にパーム油が使用されています。
パーム油は、アブラヤシの果肉から採れる油脂で、世界で最も多く使用されている植物油です。酸化しにくいため保存性に優れており、安全性が高いという利点があります。風味にも優れ、フライ油に使用すると良好な食感に仕上がります。また、アブラヤシは1年を通して実をつけることから供給が安定していることに加え、単位面積当たりの収穫量が他の植物油原料よりはるかに高く、大豆油やなたね油と比べると8~10倍もの量を収穫することが可能です。こうした特長を持つパーム油は、油で揚げるインスタントラーメンに欠かせない原材料です。

その他の原材料の調達状況

日清食品グループは、製品の容器・包装や各種印刷物、段ボール、コピー用紙等に、適切な森林管理のもとに生産されたFSC®※ 認証紙を優先的に利用しています。

日清食品では、2020年9月から「カップヌードル」ブランドをはじめとする一部製品の段ボールにFSC®認証紙の使用を開始しました。

明星食品では、FSC®認証紙および生物由来の資源を利用したバイオマスインキの使用を推進しています。「明星 中華三昧」(袋めん) の外装にFSC®認証紙を使用しており、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」の湯切りフタにはFSC®認証紙に加えバイオマスインキを使用しています。
また、明星食品が製造・販売する国内流通向け即席めんとスープ製品に使用する製品用段ボールへのFSC®認証紙使用も開始しており、2021年度中に100%切り替えることを目標にしています。

ドイツ日清ではオフィスのコピー用紙に、日清食品(香港)管理有限公司ではオフィスと工場のコピー用紙に、FSC®認証紙を使用しています。

  • Forest Stewardship Council®の略 (森林管理協議会)

水産物

日清食品グループは、計画的な水産資源の管理のもと、生態系が保全され、かつ労働者の人権に配慮された漁業方法によって獲られた水産物の調達を目指しています。そのため、MSC※1 認証やASC※2 認証等を取得した水産物の調達を推進しており、調達できない場合は問題がないことが漁場まで確認できるサプライヤーから調達しています。例えば、すり身に使用するスケトウダラはすべてMSC認証のものを調達しており、イカ、エビについては、漁場までトレースできるサプライヤーから調達しています。

  • ※1Marine Stewardship Councilの略 (海洋管理協議会)
  • ※2Aquaculture Stewardship Councilの略 (水産養殖管理協議会)

大豆

日清食品が「油揚げ」の原材料として調達している全ての大豆は、持続可能な方法で生産されたことを示すUSSEC (アメリカ大豆輸出協会) 認証のものです。

農作物

日清食品が原材料として使用しているネギとキャベツは、契約栽培されたものを使用しており、日清食品ホールディングス 資材部の担当者が畑に赴き、栽培記録と農薬使用記録を確認しています。

動物福祉 (畜産物)

日清食品グループは、食肉業者に対して動物福祉の実施状況の共有を定期的に依頼しています。また、抗生物質や成長促進剤などの動物用医薬品については、国家基準に合致した適正な使用方法を遵守しています。チキンエキスを納品する取引先には、鶏を不適切な環境で放置 (いわゆる夜間放置) していないことを確認しています。なお、遺伝子組み換え動物やクローン動物は原材料に使用していません。

動物福祉に対する考え方

日清食品グループは、国際的に認知されているアニマルウェルフェアの基本原則「5つの自由」に配慮します。

  • ・空腹および渇きからの自由
  • ・恐怖や不安、抑圧からの自由
  • ・肉体的な苦痛と不快からの自由
  • ・苦痛、怪我、傷害および病気からの自由
  • ・本来の行動がとれる自由

当社グループは、動物性の素材を使用しないベジタリアン製品の発売や植物代替肉の使用を推進しています。

環境負荷の低い植物代替肉・培養肉の開発

世界の温室効果ガスの発生源の約15%は畜産業由来と言われています。家畜の生産に必要な餌と水に加え、家畜の排せつ物や牛のゲップに含まれるメタンガスなどが環境に与える負荷は甚大です。
日清食品グループは、2016年に大豆たんぱくを主原料とした「大豆ビーフ」を独自製法で開発し、製品への使用を開始しました。その後、「大豆ポーク」や「大豆チャーシューチップ」を開発するなど、大豆ミートの使用を推進しています。
また、2019年3月には東京大学 生産技術研究所の竹内 昌治教授の研究グループ※と共に、牛肉由来の筋細胞を用いて、サイコロステーキ状 (1.0㎝×0.8㎝×0.7㎝) のウシ筋組織を作製することに世界で初めて成功しました。これは「培養肉」と呼ばれており、動物の個体からではなく、細胞を体外で組織培養することによって得られた肉のことを指します。近年、世界中で「培養肉」が研究されていますが、その多くが「ミンチ肉」を作製する研究です。同研究グループは、肉本来の食感を持つステーキ肉を「培養肉」で実現する目標に向け、筋組織の立体構造を人工的に作製する研究にも取り組んでいます。これらの技術を発展させることで、今後、さらに大きな筋組織の作製も可能と考えられており、肉本来の食感を持つ「培養ステーキ肉」の実用化に向けた第一歩を踏み出しました。
一方で、「培養肉」は今までにない手法で作製された革新的な食品であることから、社会に受け入れられるかどうかは未知数です。そこで、「培養肉」に対して一般の方々にどの程度の受容性があるのか、どのような情報発信をしていけば受容性が向上するのかを明らかにするため、日清食品ホールディングスは「培養肉」の受容性の確認と受容性向上の施策検討を目的とした日本初の「培養肉に関する大規模意識調査」を2019年に実施しました。そのほか、企業や研究機関が培養肉の普及に向けた課題解決などについて議論する「細胞農業研究会」や、食品企業、ベンチャー企業、関係省庁、研究機関等の関係者がフードテックの協調領域の課題解決に向けて議論・提言を行う「フードテック官民協議会」に参画しています。

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) の「未来社会創造事業 (探索加速型)」に採択された「3次元組織工学による次世代食肉生産技術の創出」 (研究開発代表者:竹内 昌治) の研究グループ。
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