日清食品グループ

リセット

製品の安全確保

品質保証体制

日清食品グループは、安全な製品を提供するため、各工場における日常的な品質管理に加え、独自の食品安全監査基準に基づいた定期的なグループ内監査と、そこから抽出された課題の継続的な改善に取り組んでいます。加えて、グローバル食品安全研究所 (以下、研究所) での原材料や製品を分析・検査する二重の管理体制をとっています。

品質保証体制図

研究開発部門の取り組み

原材料の分析・検査

研究所では、原材料に対して、農薬や動物用医薬品、重金属などの危害物質や放射性物質を分析するほか、遺伝子組み換え農産物やアレルギー物質のコンタミネーションの有無、最終製品の栄養成分などを確認しています。また、分析の迅速化や新たな危害物質の抽出のため、分析方法や装置を独自開発しています。さらに、原材料、原材料の加工、最終製品生産までの各段階で品質調査を実施するほか、クラウド型お客さま対応システム「VOICE」に集まったお客さまからのご指摘 (異物、異味、異臭) についても科学的に検証しています。
2019年度は、海外産原材料の農薬、動物用医薬品、危害物質の分析を強化するとともに、今後の分析数増加に対応するため、危害物質や栄養成分析の分析自動化の拡充に取り組みました。また、新たに特定原材料に準ずるアレルギー物質表示として追加されたアーモンドの検査体制も整備しました。
なお、遺伝子組み換えの原材料の使用について、国内向け製品の原材料には義務表示に該当する遺伝子組み換え農作物は使用していません。
中国の日清 (上海) 食品安全研究開発有限公司では、2006年から日本のグローバル食品安全研究所と同様の分析を実施し、中国および日本向けの原材料に対する品質保証に取り組んでいます。2019年度は、検査対象のアレルギー物質としてゴマとヤギを追加しました。さらに、中国各地の工場を定期的に訪問し、日本と共通の監査基準を用いて原材料や資材の製造工程などを調査しています。2019年度は、日本で60工場に立ち入り調査を実施しました。

研究所で独自開発した主な分析・検査技術
項目 内容
食中毒菌の検査 遺伝子情報に基づき、食中毒の原因となる菌を検査
残留農薬分析 (NASRAC) と動物用医薬品分析 (NASVED) 550種類の農薬と200種類の動物用医薬品を分析
遺伝毒性発がん物質の試験 (NESMAGET) がんの原因となるDNA損傷をヒト細胞で評価する試験
発がん促進物質の試験 (NESTUP) 発がんを促進する「発がんプロモーター」について、細胞を用いて検出する試験
アレルギー物質の検査 ナッツ類アレルギー物質8種類を一斉検査
栄養成分確認検査 近赤外線分光法による栄養成分の一斉分析

グローバル食品安全研究所

製造工場の品質管理体制を調査

研究所では、各工場の製造管理状態を「食品安全管理」「有害生物対策」「製造規範」「メンテナンス (機器の定期検査)」「清掃活動」の5カテゴリーで評価し、そこで抽出された課題に対する改善策を提案しています。 2019年度は、国内120工場、海外78工場 (日清 (上海) 食品安全研究開発有限公司による実施分を含む) に立ち入り調査を実施しました。
また、原材料の受け入れの際に品質規格や製造工程上の管理基準を遵守しているか、工場での製品検査が正しく実施されているかなどの品質監査活動も実施しています。さらに、2019年度は冷凍、具材、即席麺の製造工場を中心に45工場を監査し、各種管理手順の改定やアレルギー物質管理の徹底について改善指導を行いました。

製造工場の取り組み

  • ●日常的な品質管理
  • ●食品安全監査基準「NISFOS」に基づく監査
  • ●検査能力の改善提案

衛生管理の徹底

工場への異物混入を防ぐために、社員が生産エリアに入る前に、毛髪や体毛の落下を防止する専用ユニフォームを着用し、粘着ローラー掛け、手洗い、エアドライ、アルコール消毒、シューズクリーン、エアシャワーという段階を踏むなど、衛生管理を徹底しています。また、原材料を受け入れる際には、ふるい、風力選別機、色彩選別機、磁力選別機など原材料に適した装置を使用するとともに、製造ラインには金属探知機やX線検査機、パレット洗浄装置を使用することで異物の混入を防いでいます。

出荷前の製品検査

製造された製品が日清食品グループの品質基準を満たしているかを確認するため、微生物検査やフライ油の酸価および過酸化物価検査、外観検査、重量検査を実施しています。また、製品の食感や風味については試食認定者による試食官能検査 (人間の感覚的な評価に基づく検査) で品質を確認しています。

原材料から製造、出荷までのトレーサビリティ管理

製品に使われる原材料の自動トレースができるよう、外装ケースもしくは内袋に2次元コードを付け、ロットナンバー、製造年月日、納入業者などの原材料情報を管理しています。工場では、トレーサビリティ、品質管理カメラや生体認証設備により、問題が発生した場合に原因を究明できる体制を整えています。なお、日清食品グループのウェブサイトでは、製品ごとに主な原材料の産地情報を公開しています。

資材部の取り組み

原材料の品質向上のための情報共有

原材料の品質向上のため、日清食品ホールディングスの資材部品質グループでは、国内資材メーカーの品質管理者、営業担当者を対象にした品質研修会を2017年度から開催しています。この研修会では、品質問題が発生した事例と、改善対策や未然防止策を共有しています。このほか、テーマに合わせて取引先を集めた研修会を随時開催しています。

製造委託先工場への立ち入り調査

原材料、資材、包材などの調達先や製造委託先の工場に対しては、日清食品ホールディングスの資材部品質グループが、法令、設備、原材料、水、製造工程、製品検査、衛生管理などに関するチェックリストに沿って、立ち入り調査を実施しています (1年間で100社訪問することを目標) 。

第三者認証取得を推進

国内外の事業所・工場で品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」、「HACCP」※1の手法をもとにした食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO22000」、さらにはフードディフェンスの考え方を加えた国際規格「FSSC22000」※2の取得を進めています。第三者認証を取得している工場 (一部事業所を含む) は国内23カ所、海外13カ所です。

  • ※1Hazard Analysis Critical Control Point (危害要因分析重要管理点)
  • ※2ISO22000とISO/TS22002-1を統合した食品安全システムの国際認証規格

研究所における品質技能向上の取り組み

研究所は、「ISO/IEC17025 (試験所および校正機関の能力に関する一般要求事項の国際規格)」の試験所認定を取得しています。また、国内外の各工場担当者の品質検査技能向上のために、国内工場と海外工場の品質管理担当者全員に対して食品分析に関する検査技能を評価しています。さらに、微生物検査の技能評価試験を年2回、アレルギー物質検査技能評価試験を年2回実施しています。

品質向上のための情報共有

日清食品は、工場、生産部、その他関連部署の各担当者が参加する「生産技術研究会」を2カ月に1度開催し、工場での生産における課題や製造技術を共有しているほか、優れた事例を他工場に水平展開、標準化することなどについて話し合い、生産の品質向上に努めています。このほか、工場長や生産部、その他関連部署の担当者が参加する「工場長会議」も2カ月に1度開催しています。

製品回収

2019年、「冷凍日清チキンラーメン金の炒飯 (賞味期限2020年4月25日) にプラスチック片が混入している疑いが発生し、2020年6月までに自主回収を完了しました。調査の結果、プラスチック片の混入は確認されませんでした。

COLUMN

関西工場での取り組み

2018年10月に稼働を開始した関西工場は、最新鋭の設備を導入し、IoT技術を活用することで自動化・効率化を図るなど、製品の安全性と生産性向上を究極まで実現した「次世代型スマートファクトリー」です。

1. 世界最高水準の品質管理システム「NASA室」

「NASA (Nissin Automated Surveillance Administration) 室」と呼ばれる集中監視・管理室を設置し、設備、品質管理カメラ、電気、水道、人など、工場内の全ての情報を画面上で一元管理できる体制を構築しています。これにより、製造ライン内に人が入らなくても機械の稼働状況、製造工程全てを映像と数値データから把握し管理することが可能となります。カメラの映像と全ての製品の管理データは、サーバー内に長期間記録保存され、問題が発生した場合には即座にトレース (追跡) が可能です。

2. 自動化・無人化による食の安全性の強化

ロボット技術を活用することで、これまで人の手で行っていた確認、検査、原材料や容器などの移動を自動化し、人が介在しない作業工程を確立することで、人為的ミスのリスクを低減しています。
工場に入荷された資材は、自動搬送台車で指定された場所へ搬送されます。「NASA室」の指示で搬入された具材の段ボールは、ロボットが開梱し、自動選別・検査装置で検査を経た具材のみ機械で運搬し製造ラインへ送られます。検査を経た具材は密閉された具材コンテナに入れられ、二度と人の手に触れないため、安全性を確保できます。従来、人の手で行っていたカップの充填も、完全に自動化しています。

3. 3つのエリア区分による徹底した衛生管理

工場内を「高度清潔区」「清潔区」「準清潔区」の3つのエリアに区分し、外部からの異物持ち込みリスクを低減しています。外部から準清潔区に搬入された資材は、まず清潔区に運ばれ、開梱、仕分け、検査の後、ステンレスタンクに投入して密封され、製造エリアである高度清潔区に移送されます。準清潔区と高度清潔区が隣接しないことで、外部からの異物の侵入をブロックし、精度の高い衛生管理を実現しています。

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