「カップヌードル」のグローバルブランドへの展開

1971年9 月18 日に日本で誕生した世界初のカップ麺「カップヌードル」は、2016年時点で80 以上の国と地域で販売され、2015 年には海外での販売比率が7割を占めるなど、“日本を代表するグローバルブランド”として成長を遂げた。発売45周年を迎えた2016年3月、「カップヌードル」ブランドの世界における累計販売食数が400億食を突破した。日清食品ホールディングスでは“100年ブランドカンパニー”を目指して、「カップヌードル」のグローバル戦略に邁進していく。
その具現化に向けて2016年5月12日、2016年度 (2017年3月期) から5カ年を視野に「中期経営計画2020」を策定した。経営方針は、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した数値目標を掲げ、目標達成には以下の5つを遂行し、収益性を追求するとした。
1.グローバルブランディングの促進
2.海外重点地域の集中
3.国内収益基盤の盤石化
4.第2の収益の柱の構築
5.グローバル経営人材の育成・強化
「中期経営計画」最終年の2020年には、グローバル企業としての評価を獲得し、経営数値の達成とともに経営資源を持続的成長への投資に充て、“100年ブランドカンパニー”の実現と、時価総額“1兆円企業”を目指すものである。上記1. の“グローバルブランディングの促進” については、「海外での収益向上に向けて、『カップヌードル』を若者中心に積極展開」し、「デザイン・フレーバー・プロモーションの各施策でターゲットへのアプローチを明確化し、効果的・効率的な仕掛け」で、海外の「カップヌードル」販売食数1.5倍を目指した。

第一歩として2016年9月15日、アメリカで販売する「CUP NOODLES」 (カップヌードル) レシピの大幅変更を発表した。新たな「CUP NOODLES」は、1) 従来製品より20%以上減塩、2) 人工のうまみ成分を入れない、3) 人工香料を入れない、という3つの特徴を打ち出した。アメリカでは、健康志向の高まりから食品に含まれる人工調味料や塩分などを控える消費者が増えており、このレシピ変更も事前のアンケート調査に基づき、要望の多かった内容を反映したものであった。