2019.3

日清食品ホールディングスと東京大学の研究グループがサイコロステーキ状のウシ筋組織の作製に世界で初めて成功

地球規模での食肉消費量の増加が見込まれる中、家畜生産は飼料や土地の不足を招き、さらに環境に大きな負荷をかけることが懸念されている。そうした問題を解決するため、「培養肉」(細胞を動物の体外で組織培養することによって得られる肉) の研究が世界中で行われている。

そのほとんどがミンチ肉を作製する研究なのに対し、肉本来の食感を持つステーキ肉の作製を目指し、日清食品ホールディングスのグローバルイノベーション研究センター 栄養代謝改善グループと、東京大学 生産技術研究所の竹内昌治教授の研究グループは研究を重ねてきた。

ステーキ肉の食感は、筋肉に含まれる筋組織の立体構造から生み出される。それを体外で人工的に作製するには、筋細胞を増やすだけでなく成熟させる必要があり、それには体外で必要な栄養を行き渡らせ、細胞を適切に配置する技術が求められる。その難題をクリアし、特殊な方法で培養した結果、サイコロステーキ状(1.0㎝×0.8㎝×0.7㎝)の大型立体筋組織を作製することに世界で初めて成功した。肉本来の食感を持つ「培養ステーキ肉」の実用化に向けた大きな一歩となった。

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