背景
ヒト細胞変異原性試験法の反応様式の確認
DNAに作用する機構が異なる化学物質の検査結果
(1) | ![]() | DNA二本鎖切断を引き起こすトポイソメラーゼII阻害剤、インターカレターにおいて、強い陽性反応を示しました。 |
(2) | ![]() | DNA一本鎖切断を引き起こすトポイソメラーゼI阻害剤、DNA架橋や点突然変異を引き起こすアルキル化剤、また微小管重合阻害剤において、陽性反応を示しました。 |
(3) | ![]() | 代謝拮抗薬やヒストンデアセチラーゼ阻害剤において、陽性反応を示しませんでした。 |
本試験法はDNA二本鎖切断作用を有するDNA損傷形式を有する化学物質の検出に優れた方法であることが示されました。DNA二本鎖切断は放射線などで検出されるDNA損傷形式で発がんに普遍的に見られ、その修復に失敗すると染色体転座、欠失、増幅を引き起こすことが知られています。このように発がんに密着した強いダメージを受けた状況を検知できることから、本試験法の優位性があると考えられます。
以上のことから、本試験法は医薬品、食品由来のあらゆる化学物質の変異原性を検出するための、よりヒトに近い状態を知りうるファーストスクリーニングとして有用であることが示唆されました。
弊社製品への安全性向上への寄与について
(ご参考)
細胞分裂時に重要な役割をするp53タンパク質がDNAに損傷を受けると2リン酸化され、DNA修復遺伝子p53R2を発現します。この遺伝子発現をルシフェラーゼ(ホタルの発光酵素)に置き換え、そこに基質を加えて、発光量を指標として変異原性を測定するもの。
NESMAGET:Nissin’s Evaluation Systems for Mammalian GenoToxicity