(本件は2006年6月19日に発表した、当社が発見したふなずし由来乳酸菌NLB163が、ヒトに対しても低下作用が有効であると確認できたため、発表するものです。)
*1 コレステロール低下作用
近年、心血管疾患や脳血管疾患の原因とされる動脈硬化症が、健康上の問題となっています。動脈硬化症の主要原因として高コレステロール、特に高LDL-コレステロール血症が問題視されており、これらの値を適度に制御することが望まれています。
研究の背景
*2 胆汁酸
コレステロールの消化吸収に不可欠な消化液である「胆汁」の主要成分で、コレステロールを材料として体内 (肝臓) で作られます。胆汁として腸管内に分泌された後、そのほとんどが体内に再吸収されます。吸着などにより腸管内から除かれると、コレステロール吸収抑制および体内からのコレステロール排泄が促進され、体内のコレステロールが低下します。
研究内容
被験者をNLB163摂取群 (15名) とプラセボ摂取群 (15名) に割付け、NLB163の凍結乾燥菌末100mg含有カプセル (NLB163カプセル) または不含カプセル (プラセボカプセル) を1日6カプセル、6週間摂取していただきました。摂取前後の血清脂質値、血液学検査値、血液生化学検査値及び体成分値を測定するとともに、自覚症状および医師所見より有害事象の有無を評価しました。
その結果、NLB163摂取群では摂取後の血清総コレステロール値 (血液中の総コレステロール値) およびLDL-コレステロール値が、摂取前に比べ各々9.4%、13.4%有意に減少しましたが、プラセボ摂取群ではこのような変化はみられませんでした。そして、NLB163摂取群のほとんどの被験者で総コレステロール値およびLDL-コレステロール値の低下が確認されました。さらに、NLB163カプセル摂取による副作用と考えられる検査値異常はみられず、有害事象も認められませんでした。
以上より、NLB163は血清コレステロール値が高めのヒトに対し、有効なコレステロール低下作用を有し、副作用を示さない機能性食品素材となる可能性が示されました。
*3 プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
「被検品 (薬、食品)」の治療、改善効果を確認、証明するために、効果のない「プラセボ」を投与する臨床試験方法の一種です。被験者にも担当医師にも、被検品とプラセボの区別がつかないようにした上 (二重盲検法) で、被験者を被検品群とプラセボ群に無作為に分け、同時並行的に試験を進めます。医薬品の薬効確認で一般的に使われている試験方法です。