
こうした研究を加速するため、日清食品は「Toyota Woven City」で実証実験に参加する住民やビジター=Weavers (ウィーバーズ) を対象としたコミュニティ「NISSIN FOOD INNOVATORS CLUB」を立ち上げます。そして「共創」をテーマに、"食の未来" やその実現に向けたプロセスを一緒に考える実証実験を開始します。
「NISSIN FOOD INNOVATORS CLUB」では、参加者のフィードバックをマーケティングやサービス設計に活用し、短いサイクルで改善と検証を繰り返します。これにより、ラーメンやピザ、カレーといったバラエティ豊かな「最適化栄養食」メニューを開発するだけでなく、「e-Palette」などトヨタのモビリティを活用した、継続的に利用したくなる仕組みやサービスの構築も目指します。
さらに、オリジナルハンバーガーをはじめとする「Toyota Woven City」だけの特別な「最適化栄養食」メニューの提供や、「e-Palette」などトヨタのモビリティの活用により、参加者が楽しみながら「最適化栄養食」を継続的に食べられる環境を整備します。あわせて、参加者の "心身の変化" や "Well-beingの実感" といった主観的指標に加え、"医学的検査" などの客観的指標を確認し、「最適化栄養食」メニューの継続的な摂取がこれらの指標に与える影響を、今後実証していく予定です。
そして、「Toyota Woven City」での実証実験を通じて得られた知見をもとに、日清食品は「日本を未病対策先進国へ」のスローガンのもと、食を通じたWell-beingの向上に取り組み、将来的には「健康寿命の延伸」や「未病対策」など新たな食の可能性の探求に挑戦していきます。
伊藤 裕先生からのコメント (慶應義塾大学 予防医療センター 特任教授 / 慶應義塾大学 名誉教授 / 一般社団法人 日本最適化栄養食協会 理事長)
日清食品のフードテクノロジーによって "おいしさ" と "栄養バランス" を両立し、さまざまな食シーンに合わせた多様な「最適化栄養食」メニューをいつでもどこでも食べられる食環境の構築を目指す「Toyota Woven City」は、「食のウェルビーイングに資するフードテクノロジーの進化」をいち早く体感できる場であると言えます。「Toyota Woven City」に住む人々の生活においしく、楽しく「最適化栄養食」が継続的に取り入れられることによる影響を観察し、食のウェルビーイングの実現を目指す本実証実験で得られた知見をもとに、将来的には「最適化栄養食」が世界的に広がり、栄養バランスの整った食市場でデファクトスタンダードとなって行くことを期待しています。

*2 Journal of Functional Foods 2022, 98, 105279. [URL] https://doi.org/10.1016/j.jff.2022.105279
*3 Nutrients 2024, 16 (18), 3202. [URL] https://doi.org/10.3390/nu16183202
*4 「日本食品科学工学会 第71回大会」(名古屋、2024年8月) で発表。