再生農業の導入や持続可能な生産体制の構築を推進
近年、パーム油のサプライチェーンにおいて環境破壊や人権侵害が問題となる中、自然環境や社会的課題を個別に捉えるのではなく、地域全体を一つの単位として、関係者が連携しながら包括的な解決を目指す「ランドスケープアプローチ」が注目を集めています。
今回、弊社は、三井物産がマレーシアのサバ州で推進する「ランドスケープアプローチ」の趣旨に賛同し、取り組みの効果を検証するパートナー企業の一社目として参画しました。
三井物産と共同で実施するこの検証では、サプライヤー、サバ州政府機関、現地の団体との包括的な連携を強化し、サプライチェーンの最上流にあたる農園で再生農業 (環境再生型農業手法) の導入や持続可能なパーム油生産体制の構築を推進します。また、農園や搾油工場 (ミル) で発生する温室効果ガス (GHG) や土壌に含まれる炭素などのデータの分析、生物多様性の評価を通じて、これらの取り組みが温室効果ガスの削減や、サバ州のネイチャーポジティブの推進に与える定量的な効果を検証します。あわせて、農園労働者の労働安全衛生に関する知識や技術の向上を図り、労働環境の改善も目指します。
さらに、この検証で生産されたパーム油を、農園から搾油工場、精油工場 (リファイナリー)、三井物産、製油会社を経て、弊社グループの国内事業会社の製造工場へと試験的に調達します。これにより、原産地の環境と人権の双方に配慮したパーム油の供給体制の構築に貢献します。
弊社グループは、この検証結果を今後の施策の検討と推進に活用するとともに、パーム油を使用する企業にこの検証への参画を促し、サプライチェーン全体の連携を強化することで、パーム油の持続可能な調達の実現に向けた取り組みを加速していきます。
地域包括連携「ランドスケープアプローチ」による取り組みの内容について
マレーシアを本拠とするWild Asia Sdn. Bhd.が開発した農法を使って実施します。生ごみや動物の排泄物を活用した堆肥、アブラヤシの葉や殻などを加工したバイオ炭*1などを使用し、アブラヤシを栽培します。これにより、土壌の保水力と通気性の向上、微生物の活性化を促し、生物多様性の回復やScope 3*2の温室効果ガスの削減を目指します。
(2) 持続可能な生産体制の構築
小規模農家を含む農園労働者を対象に、農園の管理方法や労働安全衛生に関する研修を実施します。これにより、農園とその周辺地域における生態系の保全や労働環境の改善を図るとともに、生産性と収益の向上を目指します。
*1 生物資源を材料とした、生物の活性化および環境の改善に効果のある炭化物。
*2 Scope 1 は、主に自社での化石燃料の使用によって排出される温室効果ガス (直接排出)。
Scope 2 は、主に自社が購入した電気や蒸気の使用によって排出される温室効果ガス (間接排出)。
Scope 3 は、主に自社のバリューチェーン (原料調達、輸送、廃棄など) で排出される温室効果ガス。