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2020.08.25 日清食品ホールディングス

お知らせ

肉本来の食感を持つ「培養ステーキ肉」実用化を目指す研究がJST「未来社会創造事業」の新規本格研究課題に決定

日清食品ホールディングス株式会社 (社長・CEO:安藤 宏基) と東京大学 大学院 情報理工学系研究科 (東京大学 生産技術研究所 兼務) の竹内 昌治教授は、2017年度から共同で「培養ステーキ肉」の実用化を目指して研究を進めています。竹内 昌治教授を研究開発代表者とした「3次元組織工学による次世代食肉生産技術の創出」は、国立研究開発法人 科学技術振興機構 (JST) の「未来社会創造事業」(探索加速型) の探索研究課題に2018年度から採択されていましたが、このたび、同年度に探索研究課題に採択されていた5領域59件の課題の中から初めて、本格研究課題への移行が決定しました。

「培養肉」は、動物の個体からではなく、細胞を体外で組織培養することによって得られるため、家畜を肥育するのと比べて地球環境への負荷が低く、畜産のように広い土地が不要で、厳密な衛生管理が可能など、さまざまな利点があることから、食肉産業における新たな選択肢を示すものとして期待されています。また、世界中で行われている「培養肉」の研究のほとんどが "ミンチ肉" を作製する研究ですが、弊社と竹内教授の研究グループでは、肉本来の食感を持つ "ステーキ肉" を「培養肉」で実現する目標に向け、筋組織の立体構造を人工的に作製する研究に取り組んでいます。

今回、「3次元組織工学による次世代食肉生産技術の創出」が本格研究課題へと移行することにより、探索研究で実現した「培養肉」(1cm角) のさらなるスケールアップ*1や、おいしさと低コストを両立する食肉生産技術の確立*2を目指した研究を推進することが可能になります。

日清食品ホールディングスは、持続可能な社会の実現に向けて、今後も「培養肉」の研究を推進するとともに、「培養肉」の理解促進と社会需要形成に向け、適切な情報発信を行っていきます。

*1 最終的に厚さ2cm×幅7cm×奥行7cmを目指しています。
*2 筋組織をさらに成熟させるとともに、脂肪組織を加えることで本物の肉と同等の食感や味の実現を目指しています。

「未来社会創造事業」とは

社会・産業ニーズを踏まえ、経済・社会的にインパクトのあるターゲットを目指す技術的にチャレンジングな目標を設定し、POC (概念実証:実用化が可能かどうか見極められる段階) を目指した研究開発を行う制度です。
未来社会創造事業 (探索加速型) は、探索研究から本格研究へと段階的に研究開発を進める点が特長です。探索研究では、スモールスタート方式 (比較的少額の研究開発課題を多数採択する仕組み) で多くの斬新なアイデアを取り入れます。そして探索研究から本格研究へ移行する際に研究開発課題を絞り込み、最適な研究開発課題の編成や集中投資を行います。
本格研究への移行審査では、運営統括が研究開発運営会議および外部専門家の協力を得て、書類と面接により探索研究の成果と本格研究の計画を評価します。その評価結果を踏まえ、本格研究移行課題の候補について事業統括会議で審議されます。
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