日清食品グループ

リセット

安全・安心

方針

日清食品グループは、「人々の健康と安全を優先した製品およびサービスの創造開発に努める」「製品およびサービスは消費者の身体・財産を傷つけるものであってはならず、その品質に起因する問題には、誠実・迅速に対応して解決を図る」ことを「日清食品グループ倫理規程」の行動模範に掲げています。これを実現するため、日清食品グループの技術・開発・研究の拠点「the WAVE」のグローバル食品安全研究所を中心とした独自の品質保証体制を築き上げています。

体制

品質保証体制

日清食品グループは、安全な製品を提供するため、国内グループ会社の各工場において日常的に品質管理を行っています。加えて、独自の食品安全監査基準に基づく定期的な内部監査を実施し、そこから抽出された課題の改善に取り組んでいます。さらに、グローバル食品安全研究所が原材料や製品の分析や検査などの品質調査を行うことで、二重の管理体制を敷いています。

取り組み

品質技能向上の取り組み

グローバル食品安全研究所は、「ISO/IEC17025 (試験所および校正機関の能力に関する一般要求事項の国際規格)」の試験所認定を取得しています。また、品質検査技能向上のため、国内外グループ会社の製造工場における品質管理担当者全員を対象として、食品分析に関する検査技能評価を実施しています。さらに、国内グループ会社の製造工場における検査担当者全員を対象として、微生物検査の技能評価試験を年2回、アレルギー物質検査技能評価試験を年2回実施しています。

原材料の分析・検査

グローバル食品安全研究所では、以下の取り組みを行っています。

  • 原材料に関しては、農薬や動物用医薬品、重金属などの危害物質、放射性物質を分析しています。さらに、遺伝子組み換え農産物やアレルギー物質のコンタミネーションの有無、最終製品の栄養成分と表示内容に相違がないかなどを確認しています。
  • 原材料、原材料の加工、最終製品製造までの各段階で品質調査を実施するほか、クラウド型お客さま対応システム「VOICE」に集まったお客さまからのご指摘 (異物、異味、異臭) についても科学的に検証しています
  • 分析の迅速化や検出可能な危害物質の対象を広げるため、分析方法や分析装置を独自に開発しています。2022年度は、ビタミン分析の迅速化を実現しました。
  • 「東京栄養サミット2021」のコミットメントで表明した食物アレルゲン推奨表示品目に関して、従来の検査法の精度を高めながら、対象の20品目を一斉に検査できる新たな方法を開発し、運用化に向けた準備を進めています。
  • 2023年3月の「食品表示基準」の改正にともない、新しく食物アレルゲンの特定原材料に指定された「くるみ」のPCR検出技術を開発し、国で指定された高い評価基準を満たす「公定法」として認められました。

中国の日清 (上海) 食品安全研究開発有限公司では、以下の取り組みを行っています。

  • 2020年度までは、日本のグローバル食品安全研究所と同様の分析を行い、中国および日本向けの原材料に関する品質保証に取り組んできました。2021年度からは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンDなどの分析項目を追加しました。
  • 中国の「計量法」に基づいて分析データの公正性を担保する「CMA認証※」の取得を推進しています。2020年には即席麺衛生標準記載の9項目について認証を取得し、2021年には重金属類を含む項目についても認証を取得しました。さらに、「CMA認証」を取得した研究所のみが参加できる中国国家標準分析法改訂のための共同試験に参加しています。
  • China Metrology Accreditation (資質認定計量認証証書)
グローバル食品安全研究所で独自開発した主な分析・検査技術
項目 内容
食中毒菌の検査 遺伝子情報に基づき、食中毒の原因となる菌を検査
残留農薬分析 (NASRAC) と動物用医薬品分析 (NASVED) 550種類の農薬と200種類の動物用医薬品を分析
遺伝毒性発がん物質の試験 (NESMAGET) がんの原因となるDNA損傷をヒト細胞で評価する試験
発がん促進物質の試験 (NESTUP) 発がんを促進する「発がんプロモーター」について、細胞を用いて検出する試験
アレルギー物質の検査 ナッツ類アレルギー物質8種類を一斉検査
栄養成分確認検査 近赤外線分光法による栄養成分の一斉分析

グローバル食品安全研究所

製造工場の品質管理体制の監査

グローバル食品安全研究所では、「日清食品 食品安全監査基準」(NISFOS) に基づく監査を実施しています。これは、日清食品グループ各工場の製造管理状態を「食品安全管理」「有害生物対策」「製造規範」「メンテナンス (機器の定期検査)」「清掃活動」の5つのカテゴリーで評価するもので、監査で抽出された課題に対する改善策を提案しています。2020年度からは、官能検査や原材料の受け入れ体制などもNISFOSの監査項目に追加しました。
なお、2022年度は、品質調査部と上海食品安全研究所工程管理部による工場監査を、国168工場、海外67工場で実施しました (NISFOS以外の基準に基づく工場監査も含む)

製造工場での衛生管理の徹底

製造工場では、従業員が製造エリアに入る前に毛髪や体毛の落下を防止する専用ユニフォームを着用し、非接触による自動検温、粘着ローラー掛け、手洗い、エアドライ、アルコール消毒、シューズクリーン、エアシャワーと段階を踏むことで異物の混入を防いでいます。原材料を受け入れる際には、ふるい、風力選別機、色彩選別機、磁力選別機など原材料に適した装置を使用するとともに、製造ラインには金属探知機やX線検査機、パレット洗浄装置などを設置することで異物の混入を防いでいます。

出荷前の製品検査

製造された製品が当社グループの品質基準を満たしているかを確認するため、微生物検査やフライ油の酸価および過酸化物価検査、外観検査、重量検査を実施しています。また、製品の食感や風味については、試食認定者による試食官能検査を通じて品質を確認しています。

原材料から製造、出荷までのトレーサビリティ管理

製品に使われる原材料が自動的にトレースできるよう、外装ケースもしくは内袋に2次元コードを付け、ロットナンバー、製造年月日、納入業者などの原材料情報を管理しています。工場では、トレーサビリティ、品質管理カメラ、指紋や静脈、顔認証などの生体認証設備により、問題が発生した場合に原因を究明できる体制を整えています。

ユニバーサルデザインの採用

ユニバーサルデザインとは、身体能力の違いや年齢、国籍、性別に関わらず、誰もが利用しやすいように設計されたデザインです。当社グループでは、製品の原材料の表示欄や調理方法などに関する表示のサイズや色、配置を変更し、見やすいデザインにしています。

わかりやすいアレルギー物質表示

食品衛生法においてアレルギー物質と特定されている原材料は、表示義務のある特定原材料8品目と、表示が推奨されている特定原材料に準ずる20品目の合計28品目があります。当社グループのウェブサイトでは、製品ごとに28品目すべてのアレルギー物質を表示しており、製品ごとにアレルギー物質を「含む」「含まない」の検索もできるようにしています。

アレルゲン検索

第三者認証

国内外の事業所や工場で、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」、HACCP※1の手法をもとにした食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO22000」、さらにはフードディフェンスの考え方を加えた国際規格「FSSC22000」※2の取得を進めています。その他、一部の工場は「SQF」※3や「BRC」※4を取得しています。第三者認証を取得している工場 (一部事業所を含む) は国内31カ所、海外18カ所です。

  • ※1Hazard Analysis Critical Control Point (危害要因分析重要管理点)
  • ※2ISO22000とISO/TS22002-1を統合した食品安全システムの国際認証規格
  • ※3Safe Quality Food の略。食品安全・品質管理の認証規格
  • ※4英国小売協会 (British Retail Consortium) 策定の食品安全規格

関連データ

製品回収

ニッキーフーズ 泉佐野工場で製造した冷凍たこ焼 (賞味期限2022年6月4日から2023年6月28日までの製品) に異物が混入し、2023年6月30日までに自主回収を受け付けました。

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