日清食品グループの創業者精神の一つである「美健賢食」は、空腹を満たし、味覚を満足させるだけではなく、美しい体をつくり、健康を維持することも食品のもつ大切な機能であることを意味します。この精神に基づき、カロリーカットや減塩、低糖質、食物繊維や栄養素の配合など、お客さまの健康志向に応える製品開発に取り組み、時代と共に変化する栄養課題に柔軟に対応しながら、人々の健康の向上に努めています。
また、当社グループは、「健康と栄養」を重要課題 (マテリアリティ) の一つと位置付け、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。
本方針に基づき、「日清食品グループ 栄養ポリシー」を策定するとともに、事業を通じた「健康と栄養」の課題を解決する施策を推進しています。
日清食品ホールディングスでは、製品の栄養価をスコア化する弊社独自の栄養プロファイリングシステム「NISSIN-NPS」(NISSIN Nutrient Profiling System) を開発し、2024年2月より運用を開始しました。「NISSIN-NPS」は、世界で広く用いられているNPSの一つ「Health Star Rating System」(HSR) に準拠し、過剰摂取を避けるべき栄養素 (飽和脂肪酸、ナトリウムなど) や、摂取が推奨される栄養素 (たんぱく質、食物繊維など) の含有量に基づいて製品の栄養価をスコア化します。さらに、HSRではスコア算出に使用されないビタミンやミネラルも評価対象に加え、適切な量のビタミンやミネラルが製品に含まれているかをスコアに反映しています。
「食」を通じた栄養と健康に関する取り組みを加速するため、以下の目標を掲げています。
日清食品ホールディングスは、2021年12月に開催された「東京栄養サミット」に合わせ、世界の「栄養改善」と「持続可能な食料システム」の実現に向けたコミットメントを策定しました。
| コミットメント | 進捗 (2025年3月末現在) | |
|---|---|---|
| 1. ウェルネス製品 | 2030年までに、日清食品グループのウェルネス製品の国内販売額を230億円に拡大 | ウェルネス製品の国内販売額: 446億円 |
| 2. 食物アレルゲン検査 | 2030年までに、アレルゲン推奨表示品目の一斉検査法を開発し、累計10万回以上の検査を実施 | 検査実績: 23,120 (2023年9月から開始) |
| 3. 代替肉 | 2030年までに、日清食品における即席麺具材「植物性たんぱく質」の国内使用量を年間1,100トンに拡大 | 即席麺具材「植物性たんぱく質」の国内使用量: 729t |
| 4. 食品廃棄物 | 2030年までに、日清食品グループの国内での流通・販売における廃棄物総量を50%削減 (2015年基準) | 国内物流における廃棄物総量: 34.6%削減 |
当社グループは、経営層が関与する組織横断的な体制のもと、「健康と栄養」という重要課題 (マテリアリティ) への取り組みの推進と進捗の確認を行っています。
当社グループの技術・開発・研究拠点である「the WAVE」は、革新的な技術を生み出す「グローバルイノベーション研究センター」と、食の安全・安心を追求する「グローバル食品安全研究所」の2つで構成されています。また、即席めんだけでなく、チルド (冷蔵) や冷凍食品、ライス製品、菓子や乳酸菌飲料の開発機能が集結しており、次世代の食の可能性を広げる基盤となっています。基礎研究から応用開発まで一体的に進める体制を備えており、さまざまな技術を駆使した革新的な製品の開発や科学的根拠に基づく栄養改善の推進のほか、未来に貢献する幅広いテーマにも取り組んでいます。今後も、国際的な栄養基準の動向を踏まえながら、取り組みを深化させていきます。
なお、当社グループは、法規制上求められる場合を除いて、自社内、外部委託も含めて動物実験を行いません。
「NISSIN-NPS」を活用し、製品の栄養価をスコア化することで定量的に評価し、即席めんをはじめとする多様な製品群の継続的な改善を推進し、製品全体の栄養価値向上を目指しています。
当社グループでは、「健康と栄養」の課題を解決するため、科学的なアプローチを駆使しながら研究・技術開発を推進しています。具体的には、新しい減塩技術の検討、植物性たんぱく質を使用した新規具材の研究開発、「おいしさ」を科学的にとらえる味覚メカニズムの解明、乳酸菌素材の活用など、基礎研究から応用開発まで幅広く取り組んでいます。
その結果、栄養とおいしさの完全なバランスを追求した製品や、糖質オフ・減塩製品、機能性表示食品、新規乳酸菌を活用した製品の開発など、科学的根拠に基づいた製品づくりに結びついています。
従業員向けに、33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求した「完全メシ」メニューを社員食堂で提供しています。カレーやパスタなど人気メニューを中心に、100種類以上を提供してきました。また、冷凍食品「冷凍 完全メシ DELI」がいつでも食べられるスタンド型社食サービスを国内グループ会社などに設置しています。
そのほか、従業員を対象に、食に関するセミナーや健康促進イベントなどを実施することで、心身の健康保持・増進に向けた取り組みを戦略的に推進しています。
「健康と栄養」の課題解決に向けて、国内外の公的機関や食品業界、国際的な評価機関・イニシアチブとの連携を進めています。
NIBNと食品企業が連携する「食環境整備推進のための産学官等連携共同研究プロジェクト」に参画し、科学的知見に基づいた健康的で持続可能な食環境づくりに取り組んでいます。
国際的な業界団体であるWINAを通じ、各加盟企業が設定した自主目標「WINA Challenge Target」の達成に向けた活動を推進しています。各国・地域の文化や食習慣の違いを尊重しながら、業界全体で地球規模の栄養・健康問題の解決、人々のWell-beingへの貢献を目指しています。
ATNiは、企業の栄養改善に向けた取り組みを評価・促進することを目的とした国際的なイニシアチブです。当社グループは、ATNiとの対話や指標に基づく評価を通じて、取り組みの透明性を確保しながら、継続的な改善に取り組んでいます。
当社グループは、WINAを通じて即席めんを被災地へ提供しているほか、2024年1月に発生した能登半島地震では、日清食品が「完全メシ」シリーズを被災地へ提供するなど、災害時における温かい食の提供を通じた支援に取り組んでいます。
今後も、人や社会に役立つことは何かを考え続け、人々の食を満たすことで社会に貢献し続けた創業者の思いを受け継ぎ、“もしもの時”にも、温かく栄養バランスに配慮した食事を届けることを目指していきます。
当社グループは、栄養とおいしさの完全なバランスを追及した製品や、糖質オフ・減塩・栄養強化・保健機能食品など健康を意識した多様な製品を展開しています。お客さま一人ひとりのライフスタイルや健康課題に寄り添いながら、「健康」と「おいしさ」を両立する製品の開発と改善に取り組んでいます。
たんぱく質15g配合、糖質50%オフ※1、塩分25%オフ※1、ほぼ1日分の摂取目標量相当の食物繊維※2を配合
糖質40%オフ※、食物繊維22.0gを配合。
糖質25~30%オフ。1日分の摂取目標量の半分以上の食物繊維※ を配合
1食 (50g) 当たり、糖質60%オフ※、食物繊維10.9gを配合
糖質55%オフ、カロリー45%オフ※、コップ1杯 (180g) 当たり、たんぱく質5.5gを配合
塩分30%オフ※
お客さま自身がカップ内側の下線までスープを残すことで、食塩摂取量を調整することができる容器
対象製品:「チャルメラ どんぶり」シリーズ、「評判屋」シリーズなど
塩分30%オフ※
「Healthier Choice Logo (ヘルシアチョイス)※」認定を取得
生きたまま腸に届く乳酸菌NY1301株を1本 (65ml) 当たり400億個配合
「カルシウム」「ビタミンB1」「ビタミンB2」を配合し、子育て世代の健やかな食生活をサポート
カラダのバランスを整える力を持つ「リフレクト乳酸菌 (T-21株)」と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素「ビオチン」を配合
生きたまま腸に届く乳酸菌NY1301株をコップ1杯 (180g) 当たり600億個配合
生きたまま腸に届く乳酸菌NY1301株を1本 (65ml) 当たり400億個配合
食前に摂取することで、食事中の脂肪、糖、塩分の便への排出を増やすとともに、食後の中性脂肪や血糖値の上昇を抑え、高めの血圧を下げる