目指すは工場の完全自動化
テスト結果を実装に生かす
目指すは工場の完全自動化
テスト結果を実装に生かす
日清食品ホールディングス株式会社 技術開発部 2020年入社
小野 歩
社員の所属は取材当時のものです。

- THEME 01 -

入社時の目標と現在の仕事

自動化が難しい食品業界だから
挑戦しがいがある

大学・大学院で機械工学を学び、ものづくりの仕事で知識を生かしたいと考えていました。さまざまなメーカーを見る中で、食品の分野は、工業製品などと比較して工場の自動化がまだまだ難しいと知り、興味を引かれました。食品は扱うものの形状が複雑であり、衛生管理も大変です。自動化が発展途上であるからこそ、世の中にないものを創り出すようなチャレンジができると感じました。中でも日清食品は、社内で機械の内製化に取り組んでおり、関西工場をはじめ大規模な投資も進めています。そのような会社で、工場の自動化を手掛けたいと入社を決めました。
入社1年目の2020年12月には、関西工場内の日清焼そばU.F.O.の生産ライン新設プロジェクトに入り、2022年9月の立ち上げ完了までを担当しました。技術開発部の役割として、まずは工場内の決められたスペース内に生産設備をどう入れるのか仕様を考え、予算を算出し、設計ソフトでレイアウトを作成する検討段階があります。その上で、実際にライン導入工事のスケジュールを決め、現地での施工管理から生産開始後の安定稼働までフォローしていくため、プロジェクトは長期に及びます。生産する製品の仕様によって、生産設備の仕様も異なります。スケジュール通りに稼働まで進められるように、社内では製品開発部門と連携し、社外では機械メーカーや工事を担う協力会社とのやり取りを密に行っています。

- THEME 02 -

日々の挑戦

「麺2個入り」の新たな挑戦へ
新商品向けの生産ライン導入を実現

生産ライン新設の目的は、カップに麺が2個入った新商品「U.F.O.爆盛バーレル」を作ることでした。「麺2玉入り」を自動で行う機械の導入は、日清食品史上初のチャレンジです。麺2玉が機械のどこにも引っかかることなくスムーズに流れていくには、どんな構造が必要なのか。チームでアイデア出しを行い、実際に技術開発部内で機構の一部を製作し動かすことで、改善点を整理していきました。その後、機械メーカーとやり取りを重ね、完成した機械でもテストを何度も何度も繰り返し実施し、問題点を地道に改善していきました。無事、関西工場に設備を導入することができたときには、大きな達成感を感じると同時に、地道なテストと改善の繰り返しがいかに重要かを実感しました。
工場に新たな機械を導入するということは、新たな挑戦が多い分、わからないことにぶつかることも多い環境です。だからこそ、「分かる人に聞いて学ぶ」というスタンスで、先輩や上司にすぐ相談するようにしています。一人で悶々と悩み、時間が過ぎてしまうのはもったいない。立ち止まらずに行動を続けていくことを大切にしています。

- THEME 03 -

成功体験

若手中心の「未来工場プロジェクト」
新たな蒸機の開発に挑戦!

入社1年目から携わるもう一つのプロジェクトが、生産ラインの無人化/ノータッチオペレーションを目指す「未来工場プロジェクト」です。入社年次の浅い若手メンバーのみで構成されたもので、研究所の中にある小規模な試作ラインを改造し、次世代の製麺設備開発を進めています。私は麺を蒸す「蒸機」から、次工程へ運ぶ箇所の自動化に取り組みました。従来の「蒸機」は、蒸した麺を次の工程のコンベアに乗せる作業を人が行っていました。そこを無人化できないか、試作機の改造を繰り返した結果、試運転にて作業の自動化に成功させることができました。実際の工場への導入まで、まだ改良を重ねる必要がありますが、今までにないチャレンジができる環境はとても刺激的です。あえて自動化が発展途中の食品業界を選び、日清食品に来たのは「ここなら新しい取り組みができるはず」と思ったからでした。そんな、入社前に描いていたような働き方ができており、他設備の自動化にも取り組もう!と意欲が出てきます。
現在は海外工場に新しいラインを導入するプロジェクトもスタートしています。若いうちから海外案件に携わることができ、現地とのやりとりを任せてくれる風土はとてもありがたいです。技術開発部の仕事の面白さは、自らの手で新しく工場を作っていけるところ。会社としての投資規模も大きく、今後もグローバル含めてさまざまな工場設備設計・導入に携わっていきたいです。

- THEME 04 -

これからの挑戦

清掃効率の高い機械の導入で、
安心・安全の食品を届けたい

食品業界の工場では、繊細で複雑な工程の多さから、完全自動化は難しいとされてきました。日清食品であれば、麺の生地づくりにおいて、小麦と水の量との調整はもっとも大事なプロセスであり、気温や湿度を見ながら人の目でチェックすることが欠かせません。しかし、そうしたプロセスに必要なデータをすべて数値化し、無人化を実現できれば、工場内の作業安全性や生産効率は大幅に上がるはずです。人材不足が深刻化するこれからの社会で、安定の品質を供給し続ける体制づくりには、無人化という難題に今からチャレンジし続けることが必要だと考えています。
今は、毎日の機械の清掃作業に、膨大な時間と人的パワーがかかっています。食品工場において衛生管理は最重要であるからこそ、清掃しやすい設備導入を進め、清掃の効率化をもっと進めていきたいです。お客様に安心して日清食品の製品を食べてもらえるような、最先端の工場づくりに、これからも注力していきます。

CAREER

オンリーワンの
キャリアを駆け抜ける

  1. 2020年
    12月~
    (入社1年目)
    関西工場のU.F.O.生産ラインの新設プロジェクトに参画。技術開発部内には常時20ほどのプロジェクトが動いており、1人2~3プロジェクトを担当している。
  2. 2022年
    6月~
    (入社3年目)
    関西工場にて、初めて一人で工事の立会いを経験。責任ある立場となり、業務への責任感を感じることができた。
  3. 2022年
    9月~
    (入社3年目)
    U.F.O.生産ラインの立ち上げが無事完了。次なるプロジェクトとして、海外生産拠点での新規ライン導入が動き出している。
  4. 5年後
    生産性、清掃性の高い新規設備を開発して工場に導入し、数値的に見える成果を出したい。
  5. 10年後
    新しい技術を取り入れた新規設備を開発し、工場の生産ラインの完全無人化/ノータッチオペレーションを実現したい。