日清食品グループ

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社外取締役メッセージ

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グローバルな観点からガバナンスのさらなる強化とサステナビリティ推進を支援する

日清食品ホールディングス株式会社
社外取締役(独立)

水野 正人

略歴

1966年3月
美津濃株式会社 入社
1978年5月
同社 取締役
1988年5月
同社 代表取締役社長
2006年6月
同社 代表取締役会長
2014年7月
同社 相談役会長(現任)
2016年6月
当社 社外取締役・独立役員(現任)

経験を生かし、グローバルな視点でサポート

私は、国際オリンピック委員会(IOC)で環境委員を20年にわたって務めてきました。IOCの環境委員は国際連合総会の補助機関である国際連合環境計画(UNEP)とも一緒に仕事をするので、ケニア・ナイロビのUNEP本部でさまざまな分野のエキスパートとディスカッションし、グローバルかつ多様な視点や専門的な知見に触れ、多くの学びや気付きを得ることができました。そうした経験を生かして、日清食品グループのサステナビリティ、特に環境側面におけるグローバルな観点でサポートしています。
また、総合スポーツ用品メーカーであるミズノの経営に携わってきた経験から、企業経営の在り方やブランド戦略についても積極的に意見を述べています。「ブランド」という言葉は、牛などの家畜を見分けるために焼印をつける「ブランドル(Brandr)」が語源だといわれています。つまり、他社との明らかな特異性を創出するわけです。ブランド戦略においても、どのような商品をつくるのかといった構想から実際の商品開発、広告・宣伝までのプロセスで、ほかにはない“競争優位性”を築いていくことが求められます。そうした意味において、これまでにさまざまな企業を見てきた中で、日清食品グループは非常にきめの細かいマーケティングに基づいたブランド戦略を立案し、実行していると感じています。

求心力こそ日清食品グループの成長の「原点」

当社の取締役会には多様な知見を有する社外取締役が参画しており、自由闊達な議論が行われています。現在、私は経営諮問委員会の委員長を務めていますが、取締役会と経営諮問委員会の実効性を向上するための運営の工夫が適切にされていると評価しています。

また、リスクマネジメントについては、ミズノにおいても「備えよ常に」というキーワードで取り組んでいますが、日清食品グループも同じようにさまざまなリスクを想定し、それらに対する備えをしっかりしています。しかし、近年は世界全体が不安定な状況にあり、将来予測が非常に困難です。日清食品グループは既に国内だけでなく、米州、中国、アジア、ヨーロッパなどで積極的に事業活動を展開しています。そうしたグローバルな活動においては、当然ながら多くのリスクが存在しているため、私たち社外取締役も常にリスクマネジメントが適切に機能しているかについて確認しています。
後継者計画についても、取締役会においてフェアな視点で議論を続けていますが、私がリーダーに求めているのは「あの人が言うのなら間違いない」「あの人が言うのならついていこう」という“求心力”です。日清食品の創業者である安藤百福氏は、情熱を持って努力を重ねられ、非常に強い求心力を有していました。その創業者に日々薫陶を受けてきた現CEOの安藤宏基氏は強い求心力を備えていることに加え、「今後、どうありたいか」というビジョンを明確に描いてリーダーシップを発揮しています。こうした資質を備えていることも、後継者の選定をしていく上で非常に重要なファクターだと考えています。米州地域での事業を例に挙げると、平均36%もの価格改定というリスクを取ったものの販売数量は落ちず、大きな利益を生み出しました。インフレが進む米国において相対的な割安感によってユーザーの間口を広げたことは素晴らしいと思います。やはりリスク・テイキングなしに成長はしません。従来通りの低価格路線だけを続けていたら、大きな成果は得られなかったでしょう。私は、このように脈々と受け継がれ、高められている求心力やリーダーシップが、現在の日清食品グループの成長力につながっているのではないかと思っています。

「俯瞰の目」と「高い倫理観」を持って成長していってほしい

多くの企業がサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを進める中、日清食品グループも積極的なサステナビリティを推進しています。特に、全ての人がいかなるときも十分で安全かつ栄養ある食料を入手可能な状況を意味する「食料安全保障」においては大きな社会的価値を提供しています。創業者の安藤百福氏が「食創為世」という言葉を遺し、それを受け継いだ安藤宏基氏が子どもへの支援や製品を生かした災害支援、飢餓撲滅支援を積極的に実施して、地域や社会に貢献しています。また、飽食の時代においても安藤徳隆氏が中心となって開発・商品化した「完全メシ」によって、オーバーカロリーや偏食による隠れ栄養失調といった現代人が抱える課題の解決策を示しています。さらに、環境に対しても、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」で掲げた目標の達成に向けて、さまざまな取り組みを進めています。

現在、環境問題の深刻化や世界情勢の混乱などによって、ますます先行き不透明な時代になってきていますが、私は何か成し遂げようとするときは常に倫理観を基本とするべきだと考えています。今後、日清食品グループには、世界中を隅々まで見渡す俯瞰の目と「より良い世界を実現していきたい!」という高い倫理観を持って、力強く成長していっていただきたいと期待しています。

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