日清食品グループ

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特集:日清ヨーク・湖池屋の高付加価商品による躍進

FEATURE

日清ヨーク・湖池屋の
高付加価値商品による躍進

新たな社会のニーズを捉えて商品の高付加価値化を実現したのが、日清食品グループの日清ヨークと湖池屋です。2022年度は両社の取り組みが奏功、資材高騰によるコスト増などの影響を受けた国内事業を下支えし、グループ全体の増収増益に貢献しました。ここでは、両社の取り組みを紹介します。

日清ヨークの取り組み

健康志向の高まりを背景に
乳酸菌飲料の需要が拡大

昨今の乳酸菌飲料市場の活況が追い風となり、2022年度の業績は好調に推移しました。好調の要因の一つは、2021年に発売した「ピルクル400」の販売が好調に推移していることです。約30年ぶりに投入したCMの効果もあり、価格改定をする中でも、大きく販売を伸ばしました。
好調のもう一つの要因が、2022年9月に発売した「ピルクル ミラクルケア」です。これは、睡眠の質を改善することで、日常生活の疲労感を軽減する機能がある商品として発売しましたが、非常に好調な販売が続いています。2022年度の日清ヨークは、「ピルクル400」に加え、「ピルクル ミラクルケア」の好調がプラスオンとなり、資材高騰によるコスト増がある中でも、増収増益となりました。また、ピルクルシリーズだけでなく、「十勝のむヨーグルト」も好調に推移し、増収増益に貢献しました。
日清ヨークの主力商品である「ピルクル」で使われるのが、日清ヨーク独自の乳酸菌「NY1301株」です。この乳酸菌は、生きたまま腸まで届き、腸内環境を改善する機能を有することが明らかになっています。日清ヨークは“脳腸相関”(脳と腸が互いに影響を及ぼし合うこと)に着目し、NY1301株が睡眠の質の改善や日常生活の疲労感を軽減することについて、研究開発を進めていました。その結果、NY1301株が、健常な成人男女において睡眠の質を改善し、日常生活の疲労感を軽減するという機能を有することが明らかになりました。販売は非常に好調に推移していますが、一過性のブームにならないよう、「毎日続ける」商品として、今後もその魅力を伝えていきます。

ピルクルの画像

ピルクルミラクルケアによる
睡眠スコアの変化

ピルクルミラクルケアによる睡眠スコアの変化のグラフ

ピルクルミラクルケアによる
疲労感スコアの変化

ピルクルミラクルケアによる疲労感スコアの変化のグラフ

出典:薬理と治療 49(12): 2135-2148, 2021. < 被験者:疲労感の自覚のある健常成人男女(20~65歳)154名 / 試験条件:乳酸菌NY1301株を含むピルクルミラクルケア(65ml)またはプラセボ飲料を1日1本摂取 / 摂取期間:12週間 > 睡眠の質と疲労感の評価は視覚的アナログスケール(VAS)による

日清ヨーク(株)
マーケティング部 部長
犬飼 美穂子

高付加価値戦略が奏功

2022年度は、「ピルクル400」シリーズと「十勝のむヨーグルト」が好調に推移する中、「ピルクル ミラクルケア」がプラスとなり、増収増益となりました。「ピルクル400」シリーズのターゲットである子どもとその親のどちらにも訴求できるような広告やコラボを展開してきました。資材高騰等の外部環境が厳しい中でも、「ピルクル ミラクルケア」のような高付加価値商品を出すことで、ブランド全体の価値が上がり、既存商品の売り上げも伸びるという相乗効果が出ています。

湖池屋の取り組み

湖池屋流リブランディングで
高付加価値ブランドを確立

2022年度は、高付加価値ブランドを中心に、販売が好調に推移しました。こうした好調の背景には、湖池屋流のブランディングがあります。湖池屋は、高付加価値商品に重点を置いた独自のブランド体系で、新商品の開発や提供にチャレンジすることで販売を大きく拡大。2022年度は資材高騰によるコスト増がありましたが、好調な販売に加え価格改定が奏功し、増収増益となりました。
2023年9月には、高付加価値商品群を牽引するブランドの一つである「ピュアポテト」をフルリニューアル。このタイミングでブランド名を「PURE POTATOじゃがいも心地」から「ピュアポテト」へ変更し、味に関しても特別なオイルを使用したブランド初の製法を採用することで、厚切りチップスの中から芋本来の旨み・甘みがより感じられる奥行きのある味わいへと進化させました。
広告には、ユーザーのブランドロイヤリティアップと新規ユーザーの獲得を目的に、横浜流星さんを起用。男女問わず幅広い年齢層に支持を得ていること、また、ブランドイメージと合致していることが起用の理由です。さらに映画監督の藤井道人氏を迎え、三者(横浜さん、藤井監督、湖池屋)がワンチームとなり企画内容から作り上げる、という従来の広告制作の手法にこだわらない新しい挑戦も試みました。その結果実現したのが、「この男、ピュアにつき。」シリーズです。「まるでピュアポテトを擬人化したよう」な物語は、短編映画さながらの映像美とスケール感とともに視聴者の感情を揺さぶることができ、ブランドリニューアルが垂直立ち上がりできたきっかけの一つになりました。
今後も、ピュアポテトをはじめとする高付加価値ブランドの拡販に努め、売上の拡大と収益構造の改善に取り組んでいきます。また、アフターコロナに伴う消費者心理の変化や食に対する多様なニーズに応えるべく、「非連続の連続」で新機軸商品の開発および提供にも挑戦していきます。

The KOIKEYAシリーズの画像

「ピュアポテト」シリーズ
ブランド誕生5周年という節目を機に“圧倒的なじゃがいも感”を感じられるポテトチップスとしての独自のポジションを確立。
さらなる飛躍を目指して成長を続けます。

(株)湖池屋
マーケティング本部 マーケティング部 部長
新井 美彩

時代に合わせてアップデートし、ブランドを強化

2022年にロングセラーブランドの「スコーン」と「ドンタコス」をリニューアルしました。「スコーン」は「脱・ジャンクとブランドの現代化」を掲げ、濃厚な味わいはそのままに、また食べたくなる軽快な生地への改良や味付けの開発を実施しました。時代に合わせて中身を改良し、ブランドの鮮度がアップしたことでブランドの持続的成長に結び付きました。そして、2023年はこの付加価値戦略を発売60周年を迎えた「湖池屋ポテトチップス」ブランドへ拡大。長らくお客さまに支持いただいている「のり塩」の味わいはそのままに、パッケージデザインを刷新し、味付け、味名を含めブランドの現代化を図りました。

ポテトチップス、スコーン、ドンタコスの画像
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